研究課題/領域番号 |
20K13675
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
吉田 幸恵 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (50713103)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ハンセン病 / ライフヒストリー / 差別 / 感染症 / 医療倫理 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本及び日本統治下にあった韓国、そして諸外国のハンセン病をめぐる政策の再検討を行うことを目的としている。 韓国/朝鮮のハンセン病政策に関しては、その評価ができるほど、資料的蓄積もなく、ハンセン病者の生活実態も明らかになっていない。そのためには現存する資料を精査し、当事者関係者への聞き取り調査を中心に、ハンセン病政策とその実態について分析する必要がある。日本及び韓国の資料分析および聞き取り調査によって、韓国ハンセン病史の全体像を描こうとしている点に特色があり、「定着村事業」をはじめとするハンセン病政策をハンセン病者が自身をどのように語り、他者からどのように語られ、その他者は当事者からどう語られているのか、ということもふまえ、その時代に何が起こっていたのかを明らかにし、ハンセン病という病いを差別問題として社会のなかで改めて位置づけ直し、検討し、その倫理的課題を明らかにすることを目的としている。 初年度は国内及び国外資料を収集し、1900年代の日本のハンセン病政策を再度整理し、日本でおこなわれていたことと比べ非常に抑圧的で強制的な性格をおびていたと考えられる、統治下韓国での政策及びハンセン病者の自立と脱施設化を目指した(とされる)「定着村事業」を資料分析によって整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では、初年度は国内・国外のハンセン病当事者及び関係者への聞き取り調査、国外関係施設での資料収集をメインの内容としていたが、新型コロナウィルスの蔓延により、出張等が不可能となったため、資料収集及び整理・分析にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、当事者への聞き取り調査が肝になっているため、今後はリモートでの聞き取り調査が可能になるよう、機器整備したうえでの実施を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス蔓延の影響により、国外出張が不可能となったため、当初予定していた使用額は翌年度繰越となった。
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