研究期間中は,コロナ禍もあり,当初の計画通りに研究を進められたとは言えなかった.研究計画の段階で対象を予定していたのは医療機関であり,医療診察場面でのコミュニケーションが分析の主題だった.新規の調査は難しかったので,これまで取ったデータをもとに分析論文を執筆することに注力した.また入手可能なデータを分析しながらコミュニケーションの本質そのものの構造を考察するという基礎的研究を深めた. 結果的に,コミュニケーションの身体性に対する分析の手がかりをえることができた.とりわけ「移動」と「ジェスチャー」「対象の認知」の関連性に焦点化した研究論文を多く執筆できたことが重要な成果といえる.
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