研究課題/領域番号 |
20K13683
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
木田 勇輔 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (70760734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ネットワーク社会 / ソーシャル・キャピタル / コミュニティ / ソーシャルメディア / つながり |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルスの感染拡大という状況の中、当初計画自体の見直しも検討しながら研究を進めた。第一に、国内外の関連研究について改めて情報を収集し、その内容について検討を行った。とくにアメリカの都市社会学における研究の進展について確認した。これについては2021年度以降も継続して実施予定である。第二に、2021年度ないしは2022年度に実施予定の質問紙調査の項目の検討を開始した。とりわけ関連研究で用いられてきた変数及び質問の項目を収集し、整理を行った。また、質問項目を検討するプロセスで、パイロット調査としてモニターを対象としたオンライン調査を実施した。とくにインターネットメディアの利用をどのような項目を用いて調査するかが当面の課題であり、この点について綿密な検討を行った。なお、パイロット調査で得られたデータの分析も順調に進んでおり、分析結果をまとめて2021年度内に論文を投稿する予定である。第三に、過去に行ったオンライン調査のデータをもとにソーシャルメディア利用と人々の「つながり」の形成について分析を行い、この結果を論文としてまとめて所属機関の紀要に発表した。第四に、本研究と深く関連する「名古屋都市圏研究会」で行った調査データの分析を進めた。この分析結果についても、2021年度以降論文などの形で発表していく予定である。第五に、新型コロナウィルスの感染の収束の見通しが立たない中、研究に関する意見交換を活発化させるために「つながり研究会」と称する小規模なオンライン研究会を立ち上げた。現在、大学院生を含めた若手研究者とともに定期的にオンラインでの研究発表会を開催している。本研究の成果もこの研究会で定期的に発表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大により、とくに2020年度の前半は研究を進めることが難しい状況になった。また、感染拡大により当初予定していた定性的調査の実施を当面の間見合わせることになり、このことも研究の遂行に影響した。したがって、2020年度後半は研究計画の再検討と研究戦略の見直しを行いながら研究を進める必要性が生じた。2020年度後半は関連する研究プロジェクトでも成果が出始めたこともあり、進捗の遅れをやや取り戻すことができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査の実施を当初計画よりも繰り下げ、2021年度末から2022年度前半に行う予定である。このため、2021年度は質問紙調査の詳細な実施計画を作り上げることが目標となる。具体的にはサンプリング、質問紙の設計、作業人員の確保などの実務的な作業である。新型コロナウィルスの感染状況を見極めながらの作業となるが、2021年度内には質問紙調査の準備が整った状態となるよう研究を進めていく。また、本研究と関連するプロジェクトでも現在データの分析が進んでおり、その結果を論文や研究報告などの形で順次発表していくことが次年度の目標となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大により当初計画より研究に遅れが生じている。このため、研究計画を全体的に後ろ倒ししながら、当初予定していた目標や趣旨に沿った形で2021年度以降の研究を進めていく予定である。また、今後予定されている質問紙調査の実施には多額の資金が必要であるため、繰り越しを行って研究資金を温存しておくことも必要である。
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