研究課題/領域番号 |
20K13688
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松村 淳 関西学院大学, 社会学部, 助教 (70814432)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 空き家 / 地方再生 / 地方創生 / まちおこし |
研究実績の概要 |
本研究では「ソーシャル・アーキテクト」の職能を検討し、社会運動としての実態、「参加型リノベーション」が行われた街を、さらにはその先にある新しい中間集団の可能性について検証するために、以下の3つの課題を設定し、期間内に達成することを目的としている。 ①「ソーシャル・アーキテクト」の職業実践を検討し、その職能の多機能性を記述分析しつつ、現場における探索的調査を行うことで、誰が「ソーシャルアーキテクト」となっているのか、について検討を行う。「ソーシャルアーキテクト」は建築士だけではなく、デザイナー、大工などの参入も確認できるが、新しい時代の要請に資する専門職としての「ソーシャル・アーキテクト」実態を検討するための指標を開発する。この課題については、現場への参与観察と当事者へのインタビューを実施した。 ②「ソーシャル・アーキテクト」によって牽引される「参加型・建築リノベーション」を契機に生まれた紐帯が、その拡がりや強さにおいて社会運動と呼びうる持続性とまとまりを有するのか、またその先に新しい中間集団の誕生を見通すことができるのかについて考察するための指標を開発する。この課題については、参与観察と当事者へのインタビューを実施している。 ③指標をもとにしたネットワーク分析を行うことで「参加型・建築リノベーション」によって形成されていく紐帯の拡がりと密度について検討し、それが従来のコミュニティと比べて、どのような現代的な特徴を有するのかについて比較社会学的検証を行う。そして、それが新しい中間集団といえるだけの持続性とまとまりを持つものであるか検討する。 この課題については、現在、継続的に参与観察を実施中である。これら3つの課題に関するデータの内、すでに収集済みのものは次年度以降、指標を作成するために分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は文献調査と調査対象地をめぐるフィールドワークと参与観察を主たる研究の軸として位置づけていた。4月から8月にかけては、換気の良い、近場の現場であったため、複数回の参与観察を実施することができた。また、複数人の関係者へのインタビュー調査も実施することができた。 しかし、鳥取の調査地については、コロナ禍のため調査に入ることを断念せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度に引き続き、参与観察と当事者へのインタビュー調査を中心に実施をしていく。関西圏のフィールドに加えて、コロナ禍の状況にもよるが、主たる調査地の一つとして位置づけている鳥取地方へのフィールドワークを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、予定していた鳥取地方への出張が取りやめになったから。
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