| 研究課題/領域番号 |
20K13691
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| 研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
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研究代表者 |
高田 佳輔 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (30817440)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | MMORPG / ソーシャルスキル / コミュニケーションスキル / オンラインコミュニティ / 協調行動 |
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| 研究実績の概要 |
近年，主に心理学分野において，オンラインゲーム内でプレイヤーらが共通の目標に向かって作業を行う集団活動経験がプレイヤーの現実世界における社会的スキルの向上に及ぼす因果的影響が縦断研究において徐々に実証されつつある。 しかし先行研究の問題点には，ゲーム内の文化やコミュニティの質的知見が十分でないまま量的な解釈が行われていることが挙げられる。この問題を解決しうるのが，コミュニティや文化を媒介しながら現象を紐解こうとする社会学的なアプローチである。本研究は，社会学と心理学の領域を横断しながら，量的・質的の2側面から混合研究法を行い，オンラインゲームでの集団活動経験が現実世界に及ぼす影響を検討する。
以上の目的を遂行するべく，本年度に実施した研究活動の成果は次の通りである。第1に，継続して行なっていたパネル調査の5時点目の調査を実施することができた。 第2に，これまでのパネルデータを用いて，オンラインゲームの仮想世界内での集団問題解決能力について測定する尺度の開発を行った。具体的には，尺度の妥当性・信頼性の分析に加えて，現役のオンラインゲームプレイヤーに尺度の内容について意見を聞く機会を設け，尺度の内容と実際のゲーム内での活動内容とに大きなギャップが存在しないことを確認した。以上の手続きを経て，現在，論文発表に向けて執筆を行なっている。第3に，本研究の目的である，「オンラインゲームでの集団活動経験が現実世界に及ぼす影響」を検討する際に必要な質的なデータを獲得するため，オンラインゲームプレイヤーにゲーム内の文化やコミュニティについて尋ねるインタビュー調査を一度実施した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は次の2点の理由から，本研究は当初の予定よりもやや遅れていると判断した。第1に，量的調査としては，本研究の遂行のために必要不可欠な，パネル調査の5時点目を実施することができたことは予定通りである。第2に，質的調査としては，国内で流行するMMORPGの仮想世界における文化やコミュニティに焦点を当て，量的分析のみでは捉えがたい対象を深掘りしたデータの獲得を目指していたが，本年度は新型コロナウイルス感染症の影響によりインタビュー回数が1回に留まった。
以上を縮約すると，現状は量的調査は順調に進んでおり，質的調査は予定より遅れている。よって総合的に判断すると，当初の予定よりは「やや遅れている」との判断に至った。
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| 今後の研究の推進方策 |
次の2点に縮約される。第1に，本年度で行なったパネル調査を継続して行い，オンラインゲームの仮想世界における集団問題解決能力に関する尺度開発や，オンラインゲームでの集団活動経験が現実世界に及ぼす因果的影響について検討を行う。具体的には，尺度開発論文を執筆したのちに，本研究の主目的であるオンラインゲームでの集団活動経験が現実世界のソーシャルスキルに及ぼす影響の検討に関するデータ分析・論文執筆に移行する。第2に，可能であれば上述のインタビュー調査の実施を行う。しかしながら，新型コロナウイルス感染症の影響で実施が困難な予想がされるため，その場合は，さらに次の年度に予定を移す可能性もある。さらに，研究期間中に新型コロナウイルス感染症がおさまる兆候が見えない場合，最終的には，インターネット上でのインタビュー調査に切り替える予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
参与観察の予備調査的位置づけでもあったインタビュー調査の目処が立たず，参与観察の実施が遅れたため，参与観察用のPC購入の予定が遅れている。また同様の事情で，スタンドアローンPCの購入の予定も遅れている。また新型コロナウイルス感染症の影響で，研究会での出張がなくなったため，旅費をほとんど使用できていない。
次年度は，可能であれば，上述の使用できていない物品費・旅費等を使用する。旅費については，新型コロナウイルス感染症がおさまった状況で使用を行う予定である。
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