研究課題/領域番号 |
20K13706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
陳 怡禎 日本大学, 国際関係学部, 助教 (30845722)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ファン研究 / 社会運動 / 台湾 / 香港 / 趣味共同体研究 / 東アジア / サブカルチャー |
研究成果の概要 |
本研究は、「社会運動研究」や「ファン研究」の両面から、東アジアの社会運動空間において、参加者(なかでも特に女性)はいかに「戦略/戦術」的に趣味を実践し、またその「趣味」を通して、社会に変革をもたらしつつ自らの社会的位置付けを調整しているのかを明らかにすることである。 本研究は、以下の研究成果を示した:第一に、社会運動に参加している台湾や香港の若者は、社会運動空間において、「内向き」のコミュニケーションを行い、情動を生成しながら社会運動に意味を付与した点である。第二に、台湾や香港の若者が「意識的に」周縁に自らを位置付け、また周縁の対抗性を生み出している点である。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果は、以下の2点の学術的意義や社会的意義を持っている。第一に、本研究は、台湾や香港の若者は、自ら日常的に実践しているサブカルチャーや流行文化を用いて政治に参入することを通して、「政治」に新たな意味を付与したことを明らかにした。第二に、社会構造の中の既成的権威に排除されたゆえに、社会運動に参加し異議を申し立てたと思われる運動参加者は、真正面から権威に対抗を示すのではなく、「周縁」にとどまる選択を行い、その周縁において日常的趣味実践を通して、自らの存在を可視化しながら、中心的権力を周縁から少しずつ分散させる、という「戦略/戦術」を実行している点である。
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