研究課題/領域番号 |
20K13712
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研究機関 | 東京通信大学 |
研究代表者 |
櫛原 克哉 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 専任講師 (00814964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 公立小中学校 / 学校文化 / 教育 / メンタルヘルス / 支援 |
研究実績の概要 |
研究3年目にあたる2022年度は、COVID-19の感染拡大が一部残っていることを考慮して、公立小中学校の教職員や発達障害の支援者等を対象に、主にオンライン・インタビューを実施し、既存のインタビューデータ等と併せて分析を進めた。昨年度から継続して取り組んでいる論点として、①発達障害と推定される児童や生徒の特徴が学校ごとに異なりやすく、一定の傾向性やパターンを示すこと、②発達障害の児童や生徒への支援の糸口となる「発達上の課題」の発見と支援につなげる段階において、これを困難にする複数の構造的要因(相談先の不在や保護者との関係性など)や、教育現場における発達障害の「医療化」への慎重さがある場合に、支援のネットワーク形成に影響を及ぼすことがある。これらについては引き続き文章化・論文化の作業を進めている。また、発達障害をめぐる公立小中学校の取組みについて言及している文書や資料を収集し、上述した論点との関連からも分析を進めている。 このほか、文献や質的調査から得られた知見をもとにメンタルヘルスや精神障害全般を扱い、本研究課題である発達障害をめぐる問題も含まれる単著『メンタルクリニックの社会学――雑居する精神医療とこころを診てもらう人々』(青土社)を刊行した。本書は2022年7月24日の読売新聞・朝刊の書評欄「著者来店」にて著者インタビューの記事が掲載された。くわえて本書の合評会も2回にわたって開かれ、学際的な情報発信が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響が一部残っていることもあり、学校でのフィールドワークや対面インタビューの実施が制限されることもあって、実施は限定的な範囲に留まっている。そのため、当初の計画に比して、進捗状況が遅れざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した教職員を対象としたオンライン・インタビューから得られた知見と、これまでの調査研究から得られた知見を統合して、研究成果をアウトプットしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大の影響が続き、フィールド調査や対面インタビューが制限され、年度内の予算執行ができなかったためである。
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