研究課題
若手研究
本研究課題では、地方圏に住む若年還流移動者を対象とした調査と地方圏出身の若年流出者を対象とした調査を実施した。この2つの調査を比較することで、同じ地方圏出身の若年層ではあるが、地元に戻ってきた者と戻ってきていない者の比較を行うことができた。比較の結果、地域への愛着は還流移動にはつながっていないこと、男性還流移動者の中には不本意に地元に戻ってきた人が一定数いることが示唆された。
社会学
これまでの地域移動研究は集計データを用いたマクロな分析と特定の地域に注目したミクロな分析が多かった。本研究課題は、そのどちらでもなく、全国を対象としたアンケート調査を実施し、個票データを分析することで研究を行った。これにより、日本全国を対象としつつも、個々人が置かれた社会的な立場やものの考え方と還流移動の結びつきについて明らかにできた。本研究課題とこれまでの研究の知見を組みあわせることで、人びとの地域移動のメカニズムを複眼的に考えることができるようになったと考える。