今年度は、新型コロナウイルスの感染状況が改善されたために、県外や海外での資料調査の制限が緩和された。アイヌ学校のうちの一つである私立実業学校(虻田実業補習学校)の校長を務めた小谷部全一郎執筆の史料が山形県西村山郡河北町の東林寺に保管されている。この史料を閲覧、記録させてもらった。また、この東林寺は代々白鳥長久の供養寺として存在しているが、毎年6月7日に法要・供養が行われ、関係者が集まるため、法要の参加、また住職と各関係者への聞き取りを行った。さらに、河北町の郷土史家との面談も行った。また、アメリカのシアトル、ワシントンDC、テキサス等で史料調査を行った。シアトルにあるワシントン大学図書館スペシャルコレクションにて、アメリカ人類学者(アイヌ研究を含む)のフレッドリック・スターの関連資料閲覧・収集した。ワシントンDCのハワード大学では、小谷部全一郎が図書館に寄贈したオリジナルの書籍を確認し、複写した。国立公文書館では博物館見学を行い、アメリカ議会図書館では、アメリカ写真家、アーノルド・ゲンテが撮影制作したアイヌのランタン・スライドによるアイヌコレクションのオリジナルを閲覧・撮影を行った。テキサス大学では、日本歴史学者と面会して、特に書籍執筆や出版等に関する相談をした。
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