研究課題
若手研究
本研究は、介護や農業といった、自治体が必ずしも共生の課題として認識していない分野、又は課題を上手く整理できていない分野において、積極的に、そして長期的に地域社会と協働し、同郷人への生活支援を行う在日外国人が組織化するボランティア活動に着目した。その活動の意義を考察するために、pathwaysや、systems changeという概念を検討、援用し、草の根レベルの外国人の自発的活動が同郷人支援だけではなく,地域社会での外国人労働者の受け入れ、外国人住民との共生もリードすることを示すことができた。
社会学
本研究の学術的意義は、外国人のホスト国でのボランティア活動の意義をsystems changeという概念を援用して検討したことで、単に目下の課題に応える活動を評価するのではなく、在日外国人がボランティア活動を通して外国人労働者の受け入れや共生の課題をリードする立場で地域社会に参加する分析の視点を得たことである。その社会的意義は、外国人と日本人との関係を問題にした多文化共生という考えに対して、日本社会にとっての外国人という視点に加えて、外国人にとっての日本という視点を地域社会レベルで示した点にある。