研究課題
本研究の目的は、医療リワークと企業が共同で行う職場環境調整の支援モデルはうつ病休職者の復職率と定着率を高めるかを明らかにするものである。2021年度は支援モデルに基づく職場調整の実施(8~10例)と課題分析が計画されていた。まず、支援モデルは、情報提供書を作成してそれを復職前の職場との会議で共有するものとした。情報提供書の項目は、①リワークプログラムの経過(参加態度、出席率)、②ご本人の長所と課題(能力、性格傾向、環境の影響など)、③長所と課題面を考慮した復職時の職場環境調整の提案、とした。本支援モデルを実施できた対象者は6名であった。2020年からと合わせると8名であり、8名のリワークプログラム終了後から6ヵ月以内での復職・再就職率は75.0%であった。この復職率はリワークプログラム実施後の一般的な復職率とほぼ同等であった。就労継続率については復職後3ヵ月が83.3%(6例中5例)、6ヵ月が80.0%(5例中4例)であった。8例全てで、職場環境調整の提案の中に、「本人の再発注意サインのモニタリング」が含まれ、企業とリワークプログラムが連携して行う復職支援には特に重要な項目と思われた。復職・再就職がかなわなかった2例は、比較的若年の女性であり、プログラム開始時のうつ症状の重症度の高さ、休職に至った経緯の振り返りの不十分さなどが見られる事例であり、こうした事例に対しては、本支援モデルを適応する際に注意が必要と思われた。支援モデルの有効性や問題点、課題共有のための企業との検討会の開催が新型コロナウィルス感染症対策のために2021年度は実施できなかった。これについては2022年度に実施予定である。
4: 遅れている
2021年度は新型コロナウィルス感染症対策のため2クールしかリワークプログラムが実施できず(通常は年3回程度実施できる)、8~10名程度が目標であったが6名にとどまってしまった。また、支援モデルの有効性や問題点、課題共有のための企業との検討会の開催が実施できなかったため、2022年度に実施予定である。
6月~9月:リワークプログラム実施6月:企業との検討会11月~2月:リワークプログラムの実施3月:企業との検討会3月:データ分析
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
WORK A Journal of Prevention, Assessment & Rehabilitation
巻: - ページ: -