精神障害のある人の生活支援において,リカバリーを基軸とすることが精神保健福祉の国際的な潮流となっている.しかし,精神障害のある人の主観や個別性を重視するリカバリーの支援に向けた生活支援の展開における視点は明らかでない.本研究では,リカバリーと生活の困難さとの関連を検討するために縦断的調査を実施した.その結果,生活の困難さおよび生活活動における否定的な経験,全体的機能が有意に関連していることが推定された.リカバリーと生活の困難さおよび生活活動における否定的な経験の関連は,生活の困難さや生活活動における否定的な経験を低減するような生活支援がリカバリーの進展を高める可能性を示している.
|