研究課題/領域番号 |
20K13739
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松原 由美 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90728586)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 社会保障制度 / 福祉経営 / アカウンタビリティ / 財務指標 / 非財務指標 |
研究実績の概要 |
事業費の大半を社会保険料を含む広い意味での公的保険で賄われる非営利組織のガバナンスのあり方、アカウンタビリティの問題から、必要利益、非財務指標について考察した。これらをもとに、社会福祉法人経営者や職員と意見交換を行った。また、ドイツの社会保障研究者と、社会保障制度下における医療、介護、福祉の経営について、意見交換を行った。また、コロナの時に社会福祉法人がどのような役割を担ったかについて、厚生労働省から先進事例として紹介された実績のある4つの社会福祉法人経営者にヒアリングを実施した。一方、2024年度は医療、介護、福祉のトリプル改定の年だが、その報酬改定議論が佳境の時に、内部留保に関する誤解に基づく資料が国の資料として散見されたため、内部留保の意義からさかのぼり、内部留保の定義、当該資料の誤解と正しい見方について、政策関係者間で著名な業界紙に投稿した。公的資金で事業費が賄われる事業のアカウンタビリティの必要性、情報公開だけではなく、その情報(特に財務情報)の見方をセットで提供する必要性、産官学の協力による、社会保障、医療、介護、福祉の社会的意義に関する社会的共有、常日頃から地域の理解と協力を得る関係構築について検討した。 研究成果として、下記の発表を行った。 ・松原由美「社会保障と非営利組織としての病院経営をめぐる神話の検討」『病院』Vol.82 No1 38-43 2023 ・松原由美「報酬改定と内部留保に関する一考察」『社会保険旬報』1912 10-13 2023 ・国際ワークショップ参加の成果として、ワシントン大学の教員と図書を出版予定
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナは収束したものの、インフルエンザの流行もあり、現地調査が遅れたため。
|
今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査と質問紙調査、海外調査を実施予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナが収束したとはいえ、虚弱高齢者が多い施設の訪問が困難であったため。今年度は項内外の出張旅費と翻訳代として使用する計画である。
|