研究課題/領域番号 |
20K13743
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
大平 剛士 大阪商業大学, 総合経営学部, 講師 (60844090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高年齢介護職 / 職場継続 / 選択・最適化・補償 / 職場環境 / 人材育成 / 能力開発 / 継続雇用 / 高齢者就労 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、職場環境の整備や人材育成による能力開発が、選択・最適化・補償の3つの戦略を通じて、高年齢介護職の職場継続に与える効果を検証することである。2023年度においては、第1に、高年齢介護職および高年齢労働者を対象としたインターネット調査の調査票を作成し、研究倫理審査への申請を行った。第2に、高年齢介護職員の人材育成と職務能力の向上、職務満足の関係に関する論文「高年齢介護職員の人材育成と職務能力の向上、職務満足の関係」を『厚生の指標』に投稿し、採択(令和6年5月号掲載)となった。本論文は高年齢介護職員の人材育成と職務能力の向上、職務満足の関係を検証したものである。特に、①OJTやOff-JTの人材育成と職務能力の向上の関係、②職務能力の向上と職務満足の関係、③OJTやOff-JTの人材育成が職務能力の向上を通じて与える職務満足への間接効果を検証した。本研究の方法として、公益財団法人介護労働安定センターが実施した「令和元年度介護労働実態調査」の労働者調査の個票データを用いて、その中から分析で使用した各変数に欠損値がなかった訪問介護や施設介護、通所介護等で働く55歳以上の介護職員2,176人を分析対象とした。本分析においては、OJTとOff-JTの人材育成、職務能力の向上、職務満足などの主な変数を使用して、最小二乗法(OLS)による重回帰分析とSPSSのPROCESS Macroを用いた媒介分析を実施した。主な結果として、OJTとOff-JTともに、職務能力の向上との間に有意な正の関係が見られた。また、職務能力の向上と職務満足の間には、有意な正の関係が確認できた。さらに、媒介分析の結果、OJTとOff-JTはともに、職務能力の向上を通して高年齢介護職員の職務満足に有意な正の間接効果を与えていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度においては、計画していた高年齢介護職を対象としたインターネット調査の本調査及び郵送調査が調査項目等の検討に時間を要したため実施できなかった。ただし、インターネット調査の本調査については、2023年度中に研究倫理審査に申請を完了しており、審査の承認が得られ次第、2024年度前半に実施予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においては、インターネット調査の本調査と郵送調査を実施する。また、インターネット調査のデータを用いた学会発表を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に計画していた高年齢介護職へのインターネット調査の本調査と郵送調査が調査項目等の検討に時間がかかったため、年度内に実施できなかった。2024年度に当該インターネット調査の本調査および介護施設への郵送調査を実施する。
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