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2020 年度 実施状況報告書

精神保健福祉における地域ケア体制の構築のための日仏比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K13752
研究機関別府大学

研究代表者

池田 真典  別府大学, 文学部, 准教授 (10803471)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード精神保健福祉 / 精神病理学 / 社会福祉思想 / 地域福祉 / 医療福祉 / フランス
研究実績の概要

2020年4月『メンタルヘルスの理解のために―こころの健康への多面的アプローチ―』(松本卓也(編著)、武本一美(編著)、佐藤泰子、中村治、岡安裕介、舟木徹男、綾屋紗月、山森裕毅、上野冨紗子、総286頁)の第3章「メンタルヘルスを支えるしくみ-精神保健福祉と制度精神療法」(43-68頁)を担当し、刊行した。
当該書籍は精神科医、心理師、哲学者などの各分野の専門家によって執筆されており、担当した章においては我が国における精神保健福祉の制度の成り立ちを示すとともに、国際的、普遍的視野に立ち、精神障害者の地域生活支援を推進するための課題、そして専門職の使命について明らかにするものである。

刊行予定のピエール・ドゥリオンの『人間の精神医学のための私の戦い』(仮称)の翻訳書では、ネイティブチェックを終了した。この作業に並行し、共同翻訳者の永野仁美(上智大学教授・法学)、三脇康生(仁愛大学教授・精神科医)らと訳注作成を行い、共同編集用のファイル、さらにオンライン会議等で作業を行った。21年度の上半期に初稿を入稿できるように作業を進めている。

また翻訳書の内容をより詳しく知ることができるように、フランスの精神保健福祉の制度的、法的な歴史、さらにその現状と課題について理解できる論文を執筆している。論文では翻訳書に見られる具体的なエピソードを引用しつつ、その内容についての知見を深めることができる制度的、法的な解説を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍により、国際間の移動が制限されたため、フランスの精神科病院、地域の医療心理センターなどでの視察、交流など計画できず、文献のみでの調査になった。結果、当初よりも研究課題の掘り下げが不十分となった。
さらに、翻訳書の出版も大幅に遅れた。これはコロナ禍によって国内の出張、会議などが制限され、翻訳者間の意思疎通に課題が生じたたためである。また各翻訳者の所属している大学にてオンライン授業という新しい業務が生じ、新システムに順応する時間を要し、学生に対しても相当のフォローを必要とした結果である。

今後の研究の推進方策

コロナ禍によって、フランスでの現地調査は目途はたっていないものの、フランスから文献を取り寄せ、新しい知見を獲得できた。今後、視察、交流などを再開した際には、その確かな知識を背景に、明確な問題意識をもって現在のフランスの精神保健福祉が置かれている状況について調査を行うことが期待される。
また翻訳書もネイティブチェックや語調の調整などを無事に終えることができ、ほぼ完成状態に近づいている。今後は本書の内容を引用したうえで、フランスの精神保健福祉について理解できるような解説書、解説論文なども、執筆が予定されている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、フランスへとの往来ができなかったため、使用額に大幅な変更が生じた。今後は研究計画を1年~2年程度延長するなどし、万全な状態で当初の研究目的を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] メンタルヘルスの理解のために2020

    • 著者名/発表者名
      松本 卓也、武本 一美
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623087426

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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