本研究では、がん罹患、死亡、予後の地域分布を小地域単位で明らかにした。その後、地域差の要因として医療施設へのアクセシビリティの違いに着目し、距離、移動時間の差ががん罹患・死亡、予後に与えた影響を定量的に明らかにした。また、医療施設の所在地と、地域の患者数から、地域の医療需要と供給のバランスを可視化した。公的統計の集計値を用いて解析を実施した結果、都市部ではとの地域も医療施設へのアクセシビリティは良好な一方で、需要供給のバランスが悪い地域がみられた。都市部以外の地域では、アクセシビリティが不良かつ需要供給のバランスが悪い地域が存在したが、罹患や予後への関連は明らかにならなかった。
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