本研究では、戦後から高度経済成長期までと、1990年代から現在までを対象時期とし、主に保護受託者制度とアフターケア施設に焦点を当て、里子の独立自活・自立をめぐる問題の変遷を検討した。その結果、保護受託者の登録理由、委託児童に対する職業指導の特徴、高度経済成長期に保護受託者制度の登録・委託が急減し、廃止に至る理由を明らかにした。保護受託者制度の衰退と同時期に現れた民間のアフターケア施設は、地域に根差すグループホームであった。2000年代半ば以降、自立援助ホームが国の児童家庭福祉施策に位置付けられたものの、アフターケア施設が懸念してきたインケアとアフターケアの縦割りは現存していることを指摘した。
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