本研究課題では、認知症高齢者を対象にして、認知症高齢者のストレスの状態を、生理学的指標を用いて計測し、中核症状と周辺症状の状態とストレスについての関連性を解明することを目指している。 その方法は認知症高齢者を対象にして、認知症高齢者のストレスの状態を生理学的指である唾液アミラーゼと簡易脳波計を用いて計測し、並行して中核症状とBPSDについて評価を行い、中核症状と周辺症状の状態とストレスについての関連性を見る。さらに認知症高齢者に対して実施される活動の中で、特別な機材や場所を必要とせず、色々な状況で活用可能な「回想法」を用いて、その実施前後の中核症状、周辺症状とストレスへの影響を解明し、認知症高齢者のストレスコントロールの方法の一つとして役立てるための第一歩としたい。具体的には、介護老人保健施設認知症専門棟(老健)に入所中の言語的コミュニケーションが可能な認知症高齢者を対象した。 2020年度は対象となる老健がコロナウイルス感染対策のため施設へ立ち入ることができなかったため、脳波計やパソコンなどの機材の準備と計測のための準備や訓練を行った。 2021年度は対象となる老健と打ち合わせを行い、ワクチン接種後、一定期間の後、施設における集団免疫が概ね獲得され、さらにコロナウイルス感染対策の方法を定めて準備を行い、開始の了承を得ることができた。これと並行して鹿児島大学生命科学・医学系研究倫理審査に申請し承認された。 2022年3月より研究のための調査と介入を開始した。コロナウイルス感染拡大の影響のため2023年3月末で当初予定の7割程度のデータを取得することができている。 2023年度までに4グループを実施し、延べ31名に対し介入を行い、回想法実施1か月前、1週間前、実施前、実施後、終了後1週間後で結果を収集した。
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