研究課題
妊娠前、妊産婦、乳幼児の食生活は、母子の健康、子どもの発育・発達だけでなく、親子の将来や次世代の健康にも影響があることが明らかになっているため、妊娠前からの切れ目ない食支援の充実が喫緊の課題である。しかし、関連した研究がまだまだ不十分な現状である。そこで、日本の妊娠前の教育の分析として、家庭科教科書の記述内容による分析を行った。2017年、2018年に告示された新学習指導に準拠した小学校、中学校、高等学校の家庭科教科書の記述内容を分析し、家庭科教育の妊娠、授乳、乳児、幼児に関する内容を明らかにすることを目的とした。その結果、家庭科教科書の記載内容の充実が望まれた。また、妊娠前からの早期支援や教育のためにも、家庭科の教科内容の充実や他教科との連携強化による学校教育での推進だけでなく、自治体、病院、企業など様々な場での教育や支援の推進が求められることが示された。また、子どもの食生活と食育の調査として、A市の市民3000名を対象とした調査を実施し、子どもがいる保護者の回答を分析した結果、子どもへの食育に対する取り組みは、「食べ方や作法の教育」、「バランスの良い食事」が上位を占めており、COVID-19の感染症拡大前と後での変化はみられなかった。また、20歳以上の回答者の分析では、食育への関心度が高い者は、「よく噛むこと」や「食べ方への関心」が高いことが示唆された。なお、これらの内容を、学会や論文にて発表した。
3: やや遅れている
COVID-19の感染症拡大の影響で、新たな研究を再計画・実施し、学会・論文発表はできたが、当初予定していた、妊娠前・妊産婦・乳幼児の調査や、教材作成が終えていないため、次年度に継続して実施する予定である。
2024年度は、COVID-19の感染症拡大の影響で実施できていなかった研究の実施や、その成果を学会や論文などで発表する予定である。具体的には、妊娠前・妊産婦・乳幼児の調査やこれまでの研究結果を踏まえ、妊娠前、妊産婦、乳幼児の切れ目ない食支援のための教材を作成する。
予定していた妊娠前・妊産婦・乳幼児の調査が終了していないため、学会発表、論文投稿、教材・報告書作成ができず、旅費や英文校正代、印刷代等がかからなかったため、次年度使用額が生じた。2024年度にその費用を計上する。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Annual Report of Center for Developing Teaching Center
巻: 2023年度 ページ: 235-246
BMC Public Health
巻: 30;23(1) ページ: 1891
日本食育学会誌
巻: 17;4 ページ: 179-190