研究課題/領域番号 |
20K13813
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
王 政 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 主任研究員 (10617947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 野菜調理 / 機能性成分 |
研究実績の概要 |
近年、野菜の消費量は減少の一途を辿っており、野菜の摂取不足に起因する生活習慣病などのリスク拡大が懸念される。この状況を回避するために、野菜の消費促進を図ることは重要であるものの、容易ではない。以上の背景に対して、本研究では、野菜の摂取量を大きく増やさなくても、調理加工時の栄養・機能性成分の損失状況や各々の栄養・機能性成分の消化特性を解析することで、調理加工時における栄養・機能性成分の損失軽減や従来は吸収されにくかった含有栄養・機能性成分の吸収促進に資する調理加工法の検討を目的とし、栄養・機能性的に野菜の利用効率の向上を目指している。すなわち、野菜の摂取量が一定でも、含有栄養・機能性成分の吸収性が向上できれば、栄養・機能性の観点では野菜の利用効率は向上できると考えられる。 初年度のR2年度では、主に種々の野菜の調理加工特性について検討してきた。具体的には、ゆで、切断などの調理加工条件により、調理加工前後の栄養・機能性成分(ルテイン、GABAなど)の含有量の変動(損失など)について検討してきた。ここで、葉物の野菜の場合は、調理する前に、ゆでによりアクを除去する場合がある。この時に、ゆで時間と野菜に含まれる機能性成分のバランスをとる必要があり、大量処理でなければ、電子レンジの活用も可能であるとわかった。また、野菜に含まれるGABAに関しては、調理法を含有量の変動に大きく影響を与えることが分かった。わずかな工夫で、同じ量の野菜からより多くのGABAを摂取できると考えられ、この点については、今後さらなる検討が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R2年度の研究計画に沿って実施できたため。また、今年度で得た新たな知見をR3年度でも継続検討する。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は主に野菜を評価するin vitro胃腸消化モデルの構築を行う。具体的には、令和2年度に用いた調理加工法により調理された種々の野菜を試料とする。摂取の形態として、市販ミキサーで均質化された野菜試料、搾汁、ペーストなどを想定している。それぞれの形態の試料量とモデル消化液量のバランスなどについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品購入などで予算と同額に消費できなかったため。 消耗品および学会発表や論文作成に関わる費用に使用する予定である。
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