研究課題/領域番号 |
20K13813
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
王 政 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (10617947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 野菜調理 / 機能性成分 |
研究実績の概要 |
ヒトは食品に含まれる栄養・機能性成分を摂取、利用することで恒常性を維持している。現在、食品に含まれる諸成分の機能性研究が盛んに行われている。ところが、その多くは細胞培養系において評価されているものであり、消化・吸収性は考慮されていないのが現状である。ヒトが食品を摂取した際に、その諸成分が消化吸収されない限り、生体内で機能を発揮することはできない。すなわち、食品の生体内での機能は、その消化性や吸収性の観点で検討しない限り、真の議論ができない。 食品の消化吸収特性を研究する際に、マウスなどの実験動物を用いる場合もあるが、倫理的・経済的制約などにより容易に実施できない。近年、消化酵素を含む人工消化液の利用やpH・温度の制御によりヒトの胃腸消化環境を模倣するin vitro胃腸消化モデルを用いて、由来原料が異なる植物性・動物性食品や乳化食品などを対象とした消化吸収に関する研究が盛んに行われ、多くの知見が蓄積されてきた。 令和3年度は主にナス科・アブラナ科野菜などを評価するin vitro胃腸消化モデルの構築を行った。具体的には、令和2年度に用いた調理加工法により調理された種々の野菜を試料とした。摂取の形態として、破砕された野菜試料、搾汁(搾汁かすを含まない)、野菜ペーストを用いた。それぞれの形態の試料量とモデル消化液量のバランスなどについて把握した。今年度で構築したin vitro胃腸消化モデルを用いて、次年度のナス科・アブラナ科野菜などの消化吸収特性についての検討に用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R3年度の研究計画に沿って実施できたため。また、今年度で得た新たな知見をR4年度でも継続検討する。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に構築したin vitro胃腸消化モデルを用いて、ナス科・アブラナ科野菜などの消化吸収特性について検討する。具体的には、異なる摂取形態に加え、市販ドレッシング(オイル有と無)やマヨネーズなどと組み合わせた場合の含有栄養・機能性成分の吸収性の向上について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品購入等で予算と同額に消費できなかったため。 消耗品および学会発表や論文作成に関わる費用に使用する予定である。
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