研究課題/領域番号 |
20K13823
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
山下 修司 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (00553033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医薬品保管 / LED照明 / 色調変化 / 色差(ΔE*ab) |
研究実績の概要 |
医薬品は温度,湿度,光などの外的因子に対して,物理的変化や化学的変化を生じるものが存在する。このうち光により影響を受け,色調変化をきたす医薬品はこれまでにも複数報告されている。医薬品の原薬や製剤が光に対してどのような特性を有しているか評価するため,製薬メーカーが医薬品の製造承認申請を行う際,ガイドラインに基づいた試験を実施することが必要となっている。しかし、医薬品が病院や薬局といった医療機関で調剤されてから患者宅にて保管されている間にはこのような規定は存在しない。これまでには、製薬メーカーが行う安定性試験条件よりも患者宅のほうが過酷な条件下(光源の種類や照射時間等)で保管されているとする報告もある。また、製薬メーカーの行う試験やこれまでの安定性を取り扱った研究では、光源として蛍光灯照明や白熱電球が主に用いられ、LED照明での報告は見当たらない。そこで本研究では、薬剤師が患者に対して自宅で医薬品保管を行う際に適切な方法を提案するうえで必要なエビデンスを構築することを目的としている。2019年に使用された医薬品のうち使用量及び頻度の多いものを中心に約200種類選定した。今後は、選定した医薬品を中心にLED及び蛍光灯照明下にてそれぞれ保管し色調変化をきたすもののスクリーニングを行う。評価は、医薬品の表面の色調変化を測色計によって、色差(ΔE*ab)を用いる。また、色調変化を抑制する可能性のある各種ユニパック、ブルーライトカットフィルムを用いて色調変化を防止する効果を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、使用予定であった実験スペースが使用できなくなり、代替場所の確保及び環境設定に手間取ったため。計画書で予定していた2019年の全国の医薬品使用量から対象とする医薬品の選定はほぼ完了している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、実験スペースの確保及び適切な環境調整を完了させ、選定した医薬品を中心にLED及び蛍光灯照明下にてそれぞれ保管し色調変化をきたすもののスクリーニングを行う。評価は、医薬品の表面の色調変化を測色計によって、3か所ずつ測色して算出された色差(ΔE*ab)の平均値を用いる。また、色調変化を防止しうる各種ユニパック、ブルーライトカットフィルムを用いて色調変化を防止する効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中でこれまで使用していた実験スペースが使用できなくなったため、対象医薬品の購入を次年度に延期したことによる。代替場所の環境設定が完了次第、順次医薬品購入費用に充て、検討を再開する予定である。
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