研究実績の概要 |
ブルーライトカットフィルムの医薬品保管における有用性を探索的に検討した. 対象医薬品として後発品を2種類含めた3種類のブロモクリプチン錠を使用した. また照明は, 昼光色LED電球 , 電球型蛍光灯 , 及び電球色LED電球 を使用した. 各種条件下で静置させた後, 分光測色計を用いて各錠剤表面の色差 (⊿E*ab) を算出した. 対象医薬品の経時的な変化の検討において, BCF (+) では (-) より⊿E*abが小さくなる傾向がみられた. またPTP状態にて28日間曝光後の対象医薬品には, 無包装状態の暗所保管よりも⊿E*abが大きくなるものがみられた. さらに無包装状態にて28日間曝光後の⊿E*abは, 後発よりも先発医薬品の方が大きく, 蛍光灯>昼光色LED>電球色LEDの順で大きくなる傾向がみられた. 錠剤および光源の種類による違いはあるものの, BCFを用いると錠剤表面の経時的な色調変化の速度が低下する傾向が認められた. また条件によってはPTPの遮光性能が十分とは言えない医薬品が存在する可能性が示唆された. 今後より多くの医薬品で検討することが必要ではあるものの, 本研究の結果より, BCFは医薬品の保管に有用である可能性が考えられた. 岐阜市内の小学校の保護者に家庭での医薬品保管状況に関するアンケートを依頼し, インターネットで回答を収集したところ, 110名の保護者から回答を得た(回収率27.9%). 医薬品を保管していた家庭は、100(90.9%)であり, そのうち医療用医薬品は71(64.5%), 一般用医薬品(以下、OTC)は81(73.6%)であった. 医療用医薬品の保管場所としては, 「リビングなど共有スペース」が85.9%, 保管場所の照明器具は「LED照明」が70.4%で最も多かった.
|