研究課題
若手研究
本研究は、「特別の教科」となった道徳教育の核心的コンセプトである「考え、議論する道徳」の理論的な基礎づけを企図するものである。教科化された道徳教育の方法論についてはすでに一定の研究蓄積があるものの、「考え、議論する道徳」という標語の内実が深く問われることはない現状がある。本研究は、道徳教育と「思考」・「他者」・「対話」の関係を原理的な次元で解明することでこれからの道徳教育の理論的な基盤を構築し、それに支えられた確かな実践的な示唆・提言を行うものである。
教育哲学
教科化後の道徳教育については、授業実践上の教育方法論や技術論の観点からすでに一定程度研究が進められてきているものの、肝心の「考え、議論する道徳」という根幹のコンセプトについては内実が深く吟味されることなく標語として消費されている現状がある。本研究は、人間の道徳性と思考との連関や道徳的価値の理解の深化と対話との関係などについて徹底した理論的検討を行うことで、従来の研究の重要な欠落部を補うものである。