研究課題/領域番号 |
20K13854
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
町支 大祐 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40755279)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 異動 / 適応 / 組織社会化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教員がキャリアにおいて初めて体験する異動の後にどのような困難が発生するか、そして、そうした困難の影響を大きくしてしまう、つまり、促進要因とは何か、あるいは、抑制する要因は何か、について検討することである。この検討に向けて、全体的には、レビューおよび質的研究をふまえて、困難の類型や、困難の促進や抑制要因等をまとめ、そのうえで、結果をいかして質問紙を作成し、量的分析を行う計画である。そのうち、2020年度は2つの方向性で研究を行った。まずは、関連する論文や書籍等をレビューすることである。もう一方は、教員の異動に関するインタビューをすすめることである。 レビューは、異動に関する研究について行うとともに、本研究のキー概念である組織(再)社会化に関する研究等について行った。教師に関する研究だけでなく、看護師、ビジネスパーソンを含めて行った。その結果の一部は、後述する書籍の一部に整理し記載した。 もう一方のインタビューについては、新型コロナウィルスの影響もあり、たくさんの対象者を得ることはできなかった。現在の状況下でも比較的アクセスがしやすい一名の中学校教員を対象に、一ヶ月から二ヶ月に一度、それを1年間継続してインタビューを行った。今年度の異動は異例な状況ではあったものの、着任してからの一年目について、丁寧に変遷を追うことができた。現在、これらの発話データについて分析を行なっている途上である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に示したものに比べて、インタビュー調査が遅れている。論文化が可能な対象(具体的には理論的飽和に依存するため事前には予見はできないものの)の数が満たされていない。その理由の一つは、新型コロナウィルスの影響がある。学外の人間として、教員とコミュニケーションすることが難しかったことに起因している。また、異動後の困難や適応は、一般的に、4月に着任した時点から始まることが多い。本研究は、その困難の始まり方、および、その困難がどのように変化していくか、といったことに関心がある。しかし、2020年度は、4月5月が休校であったため、困難や適応の始まり方が例年とは異なっていた。得られた知見を社会に還元していくことを想定したとき、特異な状況(2020年度)のもとで、異動し、着任してきた者を分析対象とするのは、あまり目的にそぐわないと判断した。その結果、インタビューは遅れがちになっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず、遅れているインタビューを、今年度中に出来る限り行う。今年度も新型コロナウィルスの影響は残るため、学校の外部者が中に入ってインタビューをすることには難しさがある。しかし、その中でも十分に対策をとり、コミュニケーションを綿密に取ったうえで、インタビューを実施していきたい。異動後の困難の分析および、その促進要因、困難要因の分析を行いたい。 レビューの整理も改めて行う。これまでの研究知見をまとめ、質的・量的調査に生かせる形とする。 そのうえで、インタビュー調査の結果やレビュー調査の結果をふまえ、質問紙調査の作成を行う。その後、調査を実施し、分析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度においては、まず調査が計画した通りに行われなかった。そのため、学会発表等を通じた研究成果の発表も計画通りには行われなかった。そのため、それらに関わる旅費が使用されなかった。また、インタビュー調査が十分に行われなかったため、その記録や分析に関わる物品の購入が行われなかったことも、次年度使用額が生じた理由の一つである。 今年度は、遅れを取り戻す意味でも、インタビュー調査などを積極的に行う。それに関わる旅費等として使用していく計画である。
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