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2020 年度 実施状況報告書

ブルーナーの教育論における客観的な知識の性質としての客観性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K13859
研究機関名城大学

研究代表者

嶋口 裕基  名城大学, その他部局等, 准教授 (80631936)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードジェローム・ブルーナー / ウィリアム・ジェイムズ / プラグマティズム / 構成主義
研究実績の概要

2020年度はウィリアム・ジェイムズの真理観及びプラグマティズムから、ジェローム・ブルーナーの真理観とプラグマティズムについて検討した。この検討はブルーナーの教育論における知識の性質性としての客観性の背景にある哲学的立場を探るためのものと位置づけられる。その哲学的立場とはプラグマティズムである。
ジェイムズとブルーナーの真理観の比較の先行研究はすでにある。しかし、その先行研究には不十分といえる点があった。ブルーナーの認識論的立場である構成主義に言及せず、ジェイムズとブルーナーの真理観の関係について結論されていたことである。その構成主義からブルーナーの真理観を検討すれば、ジェイムズと同質の考えをブルーナーは行っていたことが明らかになった。そして、ブルーナーの構成主義の背景にはプラグマティズムがあり、その考え方もジェイムズの理解しているプラグマティズムと同質の側面があることが明らかになった。
以上のような成果を得られたが、コロナ禍によってこの成果を発表する予定であった日本デューイ学会大会が中止となり、加えて『日本デューイ学会紀要』も従来と異なり、2020年度中の投稿募集は行われなかった。そのため、この研究成果は、論文としての形としてまとめることはできてはいるけれども、それを公にすることができなかった。この研究成果によって次年度の研究成果につながる新たな知見も得られたので、2020年度の研究成果は別の媒体で2021年度中に公にする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、ウィリアム・ジェイムズとジェローム・ブルーナーの真理観およびプラグマティズムを、両者の文献や先行研究から検討し、かつ、両者が同質的であることを確認することができた。加えて、この検討において次年度に研究を予定していた、ブルーナーとリチャード・ローティの関係性についても、当初想定していた論点以上のものがあることを見つけることができた。そのため、おおむね順調に進めることができたといえる。ただし、2020年度の研究成果は公表できていないため、2021年度中に必ず公表する。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、ブルーナーとローティの真理観について検討を行っていくこととする。2020年度の研究において、ジェイムズとブルーナーの関係性を理解するために、プラグマティズムの思想史的解釈についても文献読解を行った。プラグマティズムの思想史的解釈は、最近研究の進展が著しい領域である。ブルーナーとローティは同時代を生きており、そしてブルーナーはローティの文献を読み、ローティの思想を自説に取り入れている。この事実およびブルーナーのローティ理解をプラグマティズムの思想史という視野を入れることで、ブルーナーの真理観の特徴を明らかにする。
この研究成果は日本デューイ学会の大会で発表し、成果の検証および洗練していく予定である。しかしながら、2020年度と同様、日本デューイ学会の大会がコロナ禍によって中止となる可能性がある。その場合は、日本デューイ学会の会員に検討会といった形で助言等を得ることで成果の検証・洗練を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は物品費だけでなく、旅費としても直接経費を使用する予定であった。しかしながら、旅費として使用予定であった学会がコロナ禍により中止となってしまい、旅費として使用することができなかった。当初計画で、物品費として使用を予定していた書籍を購入することはできたが、旅費として使用していた分を書籍にさらに充てることで、当初予定していたよりも広く2020年度の研究課題を検討することができた。そしてその結果、2021年度の研究として予定していた論点よりもより深い視点を得ることができた。2020年度に使用できなかった額は、前年度の研究によって得られた視点をもとに研究を行うための書籍の購入に充てる。

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公開日: 2021-12-27  

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