研究課題/領域番号 |
20K13865
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
佐藤 崇志 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (20648977)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 第4次産業革命 / サイバーフィジカルシステム / 産業用ロボット / 技能科学 / ロボットSIer |
研究実績の概要 |
大学等を卒業して生産現場に配属された新人技能者が第4次産業革命に対応できることを目標として,本研究では特に産業用ロボットの自律化するための技能の習得を日本ロボット工業会より2017年に発行された「ロボットシステムインテグレータスキル標準シート」を基準とした学卒者対象のカリキュラムの検討を行うことを目的としている. 研究計画書に記載してある実習装置の構築に関しては,3台の産業用ロボットセルに3種類の部品組み立て指示を行い,ロボットセルに配置している部品が無くなると,2台の移動式ロボットによって部品供給を行うシステムを考案した.それを実現するために各工程の状態把握やセルの位置情報に関して,ビジョンセンサなどのエッジデバイスや情報通信技術を活用することでダイナミックセル生産方式の生産システムを体験できる模擬実習装置を企業経験協力者とともに構築した. 同様に教育カリキュラムに関しては,今年度は試行として,「FAシステム実習」電気専攻3年次16名に対して54時間の授業時間を用いて,上記の実習装置を用いて,これまで実習で教えていた「決まった部品」が「決まった場所」に到達する生産システムの構築ではなく,顧客の要求や生産現場の状況に応じて,各ロボットセルの動作内容や移動式ロボットの搬送場所が変化する柔軟な生産システムの動作デモを実施し,システムの構築方法の違いを理解させた.また,それらを可能にするエッジデバイスやPLCとの連携,産業用ロボットや移動式ロボットなどの要素技術の指導方法に関しては,主にシミュレータソフトを活用して操作方法を理解させた.さらにサイバー空間(仮想空間)における物理的な干渉などのデバック後にフィジカル空間(現実空間)で自分が作成したプログラムの確認を各自に行わせることで,サイバーフィジカルシステムを理解させる教育手法を試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模擬実習装置のシステム構築が想定よりも早期に構築できことで,集合教育への展開が2020年度中に試行実施することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の方針として,①模擬実習装置のプログラムをオブジェクト指向に基づいた作成方法に変更し,初心者がみても各機器との連携ができる限りわかりやすいように工夫して作成する.②前年度は受動的な実習が多かったので一部課題解決型の形式を取り入れる.③これまでの研究成果をまとめ学会に発表や投稿を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で学会活動がオンラインとなってしまったため主に旅費の支出が制限されてしまった.2021年度に学会発表の旅費や企業協力者の人件費として充当させたい.
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