規律という用語は、管理や抑圧といった否定的なイメージが想起されることもあるが、現在のドイツにおけるインクルーシブ教育に基づく規律指導の議論を研究すると、生徒会活動や学級会を通して、子どもたちが司会をしながら、学級や学校のルールやきまりを共同決定しており、教師の指導としては、その活動を支援する重要性が提起されていることが明らかとなった。ドイツの動向を手がかりに、子どものニーズに応答することで学校や学級の標準を子どもの視点から問い直す必要性を示すことができたことは本研究の学術的意義であり社会的意義であると考える。
|