研究課題/領域番号 |
20K13882
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
瀧本 知加 東海大学, 九州教養教育センター, 准教授 (10585011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 専門学校 / 高等教育における職業教育 / 職業実践専門課程 / 専門職大学 / 青年期教育 / 職業教育 |
研究実績の概要 |
本年度は、①高等教育における職業教育に関する政策の動向およびその原理的課題について検討を行なうとともに、②いくつかの職業実践専門課程に対してプレ調査を行なった。 ①については、専門学校及び専門職大学に対する政策をレビューするとともに、専門学校の教育課程編成の実態とその原理に関する検討を行なった。②のプレ調査では、美容系及びホテル・ブライダル系、公務員養成の専門学校教員(合計5名)に対してインタビュー調査を行った。インタビュー調査では、学科としての教育目標がどのように授業実践および生徒指導実践に反映されているのかついて聞き取った。調査においては、教員のこれまでのキャリアから形成される授業観や生徒観、職業観と教育実践が強い関係を持っていること、及び、教員経験の長短によって教育目標や教育課程編成の理解度や実践への反映に大きな違いが現れることなど、専門学校の教育課程編成と教育実践に関する幾つかの重要な知見をえることができた。これらプレ調査の内容も踏まえ、教師のキャリアと教育実践の特徴について、教師教育学会第30回大会(オンライン開催)にて「専門学校教員のライフストーリー研究― 資格教育分野の教員を対象として―」として発表を行なった。 本年度はプレ調査に加えて、2021年度の調査に向けて、調査ツールの選定やオンライン調査に関する情報収集及び調査先のデータの整理なども先行して行い、2021年度調査の足掛かりを築くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、教育関係業務の負担が重くなり、本研究に十分に取組む時間を確保することができなかった。また、関係する研究会および学会が全てオンライン開催となり、十分な意見交流ができず、研究課題について十分な検討ができたとはいえない。2021年に予定している調査においても、具体的な調査項目を整理するまでにはさらなる検討が必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は専門学校を対象とした調査を実施する。調査にあたっては、新型コロナウィルス感染症の流行を前提として、調査内容の検討、調査スケジュールの確定、調査の準備、調査実施にあたる。昨年度より、専門学校においても、電子化・オンライン化の流れが急激に進んでいる。そのため、調査にあたっても、当初予定していた郵送調査を見直し、オンラインでの調査を中心として進めることで、調査の負担を減らし回収率の向上をはかりたい。また、アルバイトを雇用し、各種事務作業や調査準備に従事してもらうことで、実務上の負担を軽減し、調査項目の検討作業などに集中して取り組みたい。 2021年度はこれら調査の前提となる、専門学校の教育課程編成に関する検討を、研究成果として発表することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、研究活動が大きく制限されることとなった。特に、本研究で大きなウェイトを占めていたインタビュー調査が対面から遠隔実施に変更されたことによって、調査旅費が不要となったこと、さらに研究会や学会発表のための旅費も不要となり、旅費使用額がなくなっている。また、アルバイト雇用についても、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって、大学での学生の雇用自体が困難な状況となり、人件費の支出もなくなっている。 これに加え、本務先の遠隔授業の準備に多くの時間を必要とし、当初予定していたエフォートを下げざるを得ない状況にあり、十分な研究活動が行えず、多額の未使用分を出すこととなった。
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