| 研究課題/領域番号 |
20K13883
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| 研究機関 | 明治学院大学 |
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研究代表者 |
板橋 雅則 明治学院大学, 文学部, 講師 (20755706)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 道徳教育 / 奈良プラン / なかよし / 奈良女子大学文学部附属小学校 |
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| 研究実績の概要 |
この研究課題は、1950年代および1960年代における奈良女子大学文学部附属小学校（以下、附小）の独自カリキュラム「奈良プラン」の「なかよし」実践に着目し、この理論・実践の両面にわたる形成過程と実践上の特質を解明することを目的とする。また、同校における異年齢集団を対象とした教科・領域横断的な道徳教育の取り組みとして「なかよし」実践をとらえ、これを検討することで、学級児童を対象とした副読本・教科書による徳目主義的・心情主義的な道徳授業の対案を示し、学校教育全体における道徳教育の実践のあり方を追究するものである。
３年間の実施計画の初年度にあたる令和２年度では、主に、附小の「なかよし」実践に関する基礎情報の収集・分析に取り組んだ。具体的には、データベースや先行研究を手がかりとし、附小関連文献のリストを作成するとともに、文献の入手につとめた。1950年代および1960年代に発行された附小関連文献の分析を通して、同校における奈良プランの「なかよし」の成立過程を明確にし、実践上の変容を確認することができた。具体的には「なかよし」実践のひとつ、「グループなかよし」に焦点をあて、これの実践上の試行錯誤の様相を解明した。また、「なかよし」実践の特質のひとつである異年齢集団による活動について追究するにあたり、附小の実践をより相対的かつ多角的な視点からとらえるために、他校種における取り組みや特別活動の領域における人間関係形成能力に関する先行研究について検討を行った。具体的には、高等学校における特別活動の取り組みについて考察した。
これらの研究成果は、日本特別活動学会第29回岡山大会で研究発表を行うともに、学術論文２本にて公表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査に関連して、附小関連文献をおおむね予定通りに収集することができた。また、現在収集できていないものについても入手の目途がついており、順調に進んでいる。
しかし、当初、令和２年度の冬に、本研究の対象校である奈良女子大学附属小学校（奈良県奈良市）を訪問し、校内史料の収集・調査を予定していたが、新型コロナウイルス国内感染状況を鑑み、これを断念した。附小校内史料の収集・調査は、予定を１年遅らせて、令和３年度実施に変更した。
以上の状況を総合的に勘案し、現在までの進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
文献調査については、1970年代～1990年代の附小関連文献も入手する予定である。また、同校機関誌『学習研究』については、綿密に収集することを予定している。
実地調査については、令和２年度に実現できなかった附小訪問・調査を令和３年度に行う。附小校内史料の収集・調査、インタビュー調査の準備作業に着手する。「なかよし」実践に関連を有する人物を選定し、今後実施予定のインタビュー調査への協力を打診する。選定にあたっては、元附小教員のみならず、同校卒業生も射程に入れる。また、附小のみならず、奈良女子大学学術情報センター・教育システム研究開発センターも訪問し、さらなる史料発掘・情報収集をすすめたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
附小の訪問・調査を断念したことで、令和２年度予算のなかに計上していた旅費を執行しなかった。訪問・調査については、予定を１年遅らせて令和３年度実施に変更することで、これら研究経費を有効に活用する。また、日本特別活動学会第29回岡山大会に参加するために旅費を計上していたが、この大会がオンライン開催となったために、未使用金が生じた。これら理由により、結果的に、一定の次年度使用額が発生した。
使用計画は、次の通りである。まず、継続して附小関連文献の収集をすすめる。くわえて、1950年代および1960年代の道徳教育関連文献および関連資料の収集も同時に行う。さらに、令和２年度に実現できなかった附小の訪問・調査を実施する。訪問・調査を実施するにあたり、聞き取り内容の記録のためにＩＣレコーダーを購入する計画である。
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