理工系やSTEMの分野にすすむ女性が少ないことは、学術的にも政策的にも非常に注目されやすいトピックである。それにもかかわらず、本研究を開始した当時、このテーマに関する社会学の文献が、日本にはほとんどなかった。専攻分野の選択における男女間格差を生みだすメカニズムを解明するねらいで、データにもとづく実証的な分析を行い、この状況に一石を投じた本研究の意義はきわめて大きい。さらに『社会と調査』賞を受賞した論文は、子どもを対象とする調査に関わる人たちに有益な示唆を与えるものであることが評価された。以上のように、本研究の取り組みにより、調査の意義とデータ分析の重要性を示すことができた。
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