研究課題/領域番号 |
20K13908
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
酒井 佑輔 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (30632591)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日系移民女性 / 教育 / トメアスー / 森林農業 / アグロフォレストリー / 営農 |
研究実績の概要 |
ブラジルアマゾンの日系移民女性による教育実践及びその教育実践がアマゾントメアスーのアグロフォレストリー(森林農業)の発展にいかに寄与したのかを明らかにするため、2020年度は主に以下の2点を実施した。 まず1つ目は、web会議サービス(zoom)を用いた日系移民女性T氏並びに関係者への継続的な聞き取り調査である。聞き取り調査は、月に1、2回程度実施し、彼女らの生い立ちや学校教育並びに社会教育での経験並びに森林農業形成・発展の寄与を可視化するための半構造化インタビューを実施した。2つ目に、トメアスーの日系移民並びにその教育に関する資料の収集及び分析である。具体的には、戦前の拓務省等が発刊した『拓務時報』やトメアスーで発刊されていた邦字新聞(『緑風』や『トメアスー新聞』『Jornal CAMTA』)、関連する論文や資料等の収集につとめた。また、アグロフォレストリーの形成・発展に寄与したといわれている篤農家らの寄稿文や論稿、インタビュー記事等も収集し、彼らのパートナーがどのように論じられているのか等も分析をすすめた。 研究成果は、「トメアスーのアグロフォレストリーの形成・発展における日系移民女性」と題してまとめ、第13回ブラジル日本研究国際学会 | 第26回全伯日本語・日本文学・日本文化大学教師学会(2021年3月17日-3月19日開催)で口頭発表を行った。発表原稿は現在加筆修正しており、関係研究機関のジャーナルに投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染拡大により現地に足を運ぶことができなかったものの、web会議サービスをいち早く導入し関連するインタビュー調査を可能な限り進めることができたから。 ただし、元々想定していたインターネット環境のない地域に居住する移民女性へのインタビュー調査や、彼女らの学習活動への参与観察、トメアスー文化協会にしか存在しない資料の閲覧等が今回できなかったため、次年度に実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスが現在もなお猛威を奮っている状況下で現地への渡航は困難である。したがって、今後の研究の推進方策としては大きく2つ挙げられる。まず1つ目は、web会議サービスを活用した継続的なインタビュー調査である。また、調査対象者の関係者らが現在日本に滞在しているため、関係者らへのインタビュー調査等も実施し、研究の推進につとめたい。2つ目は、現地の関係者らへ研究協力を依頼しての資料収集や指導助言、インタビュー調査をすすめることである。なお、研究協力者からはすでに内諾を得ており2021年度からすぐに取り組める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大により、ブラジル現地への渡航旅費並びに日本国内の学会参加のための旅費が一切発生しなかった。 2021年度はブラジルパラ州トメアスー、ベレン、アマゾナス州マナウス、そしてサンパウロ州在住の研究協力者と協働しブラジル現地の関連資料の収集やインタビュー調査等をすすめていく。
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