本研究では、在日コリアンのエスニシティ表出/継承を、家庭や地域での経験、また地域性との関連から明らかにすることを目的にしている。その目的を達成するため、本研究の協力団体より、インタビュー対象者の紹介、情報提供、分析結果に対する助言などの様々な支援を受けている。令和5年度においては、これまでに得たデータの分析を進め、令和4年度韓国日本学学会(2023.2)において発表した内容を、さらに修正、加筆し「在日コリアンのエスニシティー教育・文化・地域に着目して」というテーマで、韓国東国大学日本学研究所の招請講演(2023年4月14日)において研究結果を発表している。その発表をまとめた論文を所属する和歌山大学の紀要に投稿している(公開待ち)。 これまでの研究成果をまとめると、学会発表3件「在日コリアンのエスニシティ表出 -地域性との関連に着目して」【査読有】(令3年度)、「在日コリアンのエスニシティ継承-アイデンティティに着目して」(令4年度)、「在日コリアンのエスニシティ形成と表出 」(令4年度)、招請講演1件「在日コリアンのエスニシティー教育・文化・地域に着目して」(令5年度)。また、研究分析の一環として、「在日コリアン支援経験から多文化共生を考える(合同研修会)」(令和3年度)の開催、「多文化共生の観点からのアプローチ(合同研究発表大会)」(令和3年度)の開催をし、在日コリアンについての知識を深めるとともに、当事者から在日を取り巻く現状の課題などを聞く場を設け、自身の研究課題についても発表した。
|