研究課題/領域番号 |
20K13914
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高柳 妙子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), その他(招聘研究員) (30444706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | タイの幼稚園教育 / 先住民の子ども / 子ども観 / 多文化多言語社会 / ケニアの幼稚園教育 / 新型コロナウイルス感染症拡大による影響 / 保護者の幼稚園に関する価値観 / 人類学調査 |
研究実績の概要 |
タイ及びケニアの多文化・多言語環境に育つ子どもたちに対する幼稚園教育の現状と保護者の幼稚園教育に対する価値観と課題を明らかにした。タイ北部・カレンの村におけるフィールドワーク(補完調査)により、Covid-19感染拡大のため幼稚園・小学校が2年間閉鎖されたが、教員がその村に滞在していたため、子どもたちの学習継続に個別対応することにより、電気・インターネット環境が不整備であっても学習継続が可能であったことが明らかになった。また、村におけるカレン語学習センターはロックダウンによる影響で閉鎖し、家庭内ではカレン語での会話を継続したが、子どもたちのカレン語の読み書き習得が困難である点がわかった。ケニアにおいては、2022年度に現地アシスタントによる、データ収集を遠隔で実施したため、そのデータをケニア・ケニヤッタ大学の協働研究者と共に分析した。ケニアとタイの協働研究者を日本に招聘し、広島で開催されたアジア比較教育学会にて、2セッションにおいて共同発表を行い、加えて、ラウンドテーブルセッションでは、現在並行して展開中である、科研費基盤B事業に関する研究発表において、タイとケニアの視点からコメントをしてもらい有意義なラウンドテーブルセッションとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この調査研究を開始した当初は、新型コロナ感染症拡大に影響で、フィールドワークが実施できずにだいぶ遅れた。その後、回復に向かって、調査は少しづつ軌道に乗った。繰り越された旅費を、2023年11月に広島で開催されたアジア比較教育学会におけるケニアからの共同研究発表のための旅費に充てることができ、共同発表を実施し、その発表内容を基に共著論文を執筆中であるため、2024年4月時点では、おおむね進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
ケニアとタイのフィールドワークから収集した一次データを引き続き分析していく。国際開発学会、北米教育学会等での成果発表、国内外の学術誌への投稿を準備する。ケニア・ケニヤッタ大学ワンビリ博士と共著で、右記の題目で、査読付きジャーナルに投稿中である「To whom doesMother Tongue Education matter?:A perspective of Maasai parents of pre-primary schoolers in the rural Kenyan village of Narok.」。 タイ・チェンマイ大学イトワンナ博士とは、2023年度に韓国で行われたアジア学会及び広島で開催されたアジア比較教育学会にて共同発表を行ったものを基盤にして、現在、共著論文を作成中である。執筆終了次第、海外の査読付きジャーナルに投稿する計画でいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年、2021年度が新型コロナ感染症拡大により、タイが国を閉鎖していたため、2022年8月から外国人の入国が認められて調査を始動した。そのため、かなり進捗が遅れた。 今年度は、2022年度にタイ北部で実施したフィールドワークのデータを基に分析を続けて査読付き論文掲載を目標に海外のジャーナルに論文を提出する計画でいる。その際に発生する英文校正やジャーナル掲載料を支出する計画である。
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