研究課題/領域番号 |
20K13917
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
田村 徳子 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 准教授 (10738850)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学校 / ブラジル / 子どもの権利 / 校長 / 選挙 |
研究実績の概要 |
3か年の研究計画のうち第2年目にあたる令和3年度には、①ラテンアメリカ地域における子ども観の把握、②コロナ禍での校長直接選挙に関する文献資料の収集・分析、③コロナ禍でのブラジルの学校教育の最新動向の把握という3つの作業をおこなった。当初の予定では、ブラジルへの現地調査を予定していたが、初年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施することはできず、しかも調査対象である校長直接選挙の実施が不確定であった。したがって、主としてインターネットから入手可能な文献資料の収集・分析を重点的におこなった。 ①に関しては、初年度に続いてブラジルを含むラテンアメリカ地域における子ども観についての文献資料を収集・分析をおこうとともに、ブラジルの国家共通カリキュラム基礎に着目し、そこでの子どもの権利の捉え方について検討した。その成果は、「ブラジルの国家共通カリキュラム基礎(Base Nacional Comum Curricular(BNCC))における幼児教育: そこに掲げられる子どもの学ぶ権利・学習と発達の目標」(『地域連携教育研究』第7号)として公表している。 ②については、調査対象であるパラナ州とリオグランデドスール州の校長直接選挙の最新状況の把握に努めた。パラナ州では州立学校において7月に対面とオンラインで校長直接選挙の実施がおこなわれた。その際の議論については論文としてまとめている段階である。 ③については、ブラジルの教育行政機関や国際機関が提供する文献資料をインターネット上で収集し、最新状況の把握に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3か年の研究計画のうち第2年目にあたる令和3年度は、初年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、校長直接選挙の実施自体が不確定であったことと、当初予定していた現地調査の実施ができなかった。そのため、投票行動に関するデータが入手できず、このことが本研究の計画に大幅な遅れをもたらしている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる令和4年度でも、初年度及び第2年目に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、申請時に計画した現地調査の実施は困難であると想定される。したがって、文献資料やインターネットから入手可能な資料の収集・分析に軸足を置き、ブラジルの校長直接選挙に関する研究を進めるととともに、これまで蓄積してきたブラジル及びラテンアメリカにおける子どもの権利に関する知見と合わせて、論文執筆に努める。 また、新型コロナウイルス感染拡大の状況と研究成果の状況をみて、研究期間の延長を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に引き続き、第2年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響により予定していたブラジルでの現地調査の実施ができなかったため、その費用が繰り越しとなった。次年度においても、現地調査の実現に向けての不確定要素は多い。新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限の解除等、現地調査の実施が可能となれば、延期していたパラナ州及びリオグランデドスール州の現地調査をおこないたい。一方で、現地調査が実施できなかった場合は、文献調査やオンラインツールを利用した調査にその費用にあてる。
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