研究課題/領域番号 |
20K13929
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研究機関 | 美作大学 |
研究代表者 |
藤根 雅之 美作大学, 生活科学部, 講師 (40802947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フリースクール / 子どもの権利 / 安全管理 |
研究実績の概要 |
不登校児への支援として,フリースクールの活動に対し政策的にも学術的にも注目が向けられている。しかしフリースクールが教育制度上の重要なアクターと位置付きながらも,これまでフリースクールにおける「安全管理」の議論はなされていない。そのため本研究は,フリースクールにおける「安全管理」の現状を実証的に把握し,子ども達の安全を確保する上での政策的・実践的・学術的な指針を見出すことを目的としている。 1年目の本年度は,フリースクールの活動現場を訪問しての聴き取り調査から,組織における「仕組み」として「安全管理」をいかに行っているか,過去に発生した「事件」や「事故」について,どれだけ把握しているか,どのように把握したか,把握した場合どのように対応したか,あるいは対応できなかったかなどを明らかにすることを計画していた。 しかしながら,新型コロナウイルスの影響をうけ,計画していた調査がほぼ行えなかった。所属機関である美作大学の指示により,都道府県をまたいでの移動が制限されたため,調査協力を受諾していただけているフリースクール等の諸団体への訪問調査が行えなかった。そのため,文献収集を中心に,海外の事例も含めたフリースクールやオルタナティブな教育活動団体で起こった・起こりうる「事故」・「事件」についての情報や先行研究を把握した。その作業を通じて,今後,調査を再開した際の枠組みや必要な前提知識の把握を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19の影響で計画にあった調査ができなかった。所属機関の指示により,年間を通して研究業務も含めて都道府県をまたぐ移動が制限された。調査協力を受諾してくれていた活動団体は全て所属機関の県外であるため,計画では訪問し聴き取り調査を予定していたが,調査が不可能であった。オンラインを使っての聴き取り調査も考えたが,内容がセンシティブなため対面で行えない聴き取り調査は不適切だと判断し実施しなかった。そのため,訪問しての調査ではなく文献資料の収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
covid-19の感染拡大状況が今年度も続いている現状を踏まえ,以下のように研究計画を変更する。これまでに培ってきた実践者との信頼関係をもとに,細心の注意をはらいながらオンライン上での調査を試みる。フリースクールなどの実践者や支援者が行うオンライン上のイベント等への参加とSNSなどを使ってのコミュニケーションを経て信頼関係を維持し,できる限りの聞き取り,一次資料の収集を行うことを予定している。また,当初計画ではアンケートなどの量的調査も計画していたが,十分なコミュニケーションを取れない中では不適切だと判断し,上述の研究方法に切り替える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
covid-19の感染拡大の影響をうけ所属機関が研究業務を含め移動の制限を課し,計画していた訪問調査が行えなかったためである。調査計画を繰り下げる必要があるため,費用は次年度以降の調査の充足に用いる予定である。
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