研究課題/領域番号 |
20K13933
|
研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
進藤 将敏 北海学園大学, 経営学部, 講師 (70767756)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 幼児期 / 描画 / 非標準型 / 実行機能 |
研究実績の概要 |
本研究の大きな目的は、幼児期における非標準型の描画活動が実行機能の発達を促すか否かを検証することである。これまで、非標準型の描画を産出する認知プロセスは明らかにされてこなかったが、研究代表者による先行研究では、非標準型を描くプロセスにおいて、実行機能が関与する可能性が示唆されている。 本年度は、描画と実行機能の関連を確かめるため、はじめに、これまでの実行機能の研究を概観した。特に実行機能の発達メカニズムや発達支援の方法に関する資料を収集し、知見を深めた。そして、近年提案されている非標準型の描画発達モデルが実行機能の発達に適用可能か否かについて考察を進めるため、これまでの描画発達研究の知見を整理した。その成果として、非標準型の描画を産出する際の認知プロセスには、実行機能を構成する「抑制」「切り替え」「ワーキングメモリ」が関わっていることが推察された。 今後は、子どもが描いた実際の描画をもとに、非標準型が描かれている程度と実行機能の発達の程度が正の相関関係にあることをデータで示していく必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来ならば、個々の子どもの非標準型の描画の程度と実行機能の発達の相関関係を見出す計画を立てていたが、新型コロナウイルスの影響により、進捗状況はやや遅れている。現在は、幼児期の子どもが描いた描画サンプルにもとづいて、非標準型の表現の程度を評価する手法を考案・精査している段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究で考案した描画の評価法が適切であるか否かの検討を行う予定である。さらに、非標準型の描画が表現されている程度と実行機能の発達との相関関係を明らかにするため、調査協力園との連携によって、子どもの実行機能を質問紙によって評価する準備も進めている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究協力園での調査や実験ができない社会情勢(新型コロナウイルス)であったため、調査にかかる旅費や人件費がほとんど消化できなかった。今後は、いつでも調査が再開しても良いように、データ収集にかかる旅費や人件費が改めて必要となる。また、現在の研究の進捗状況を鑑みると、より効率的にデータ収集をしていく必要性も出てきたため、データ収集に必要な機材や人員が増える可能性がある。そのため、翌年度分として請求するに至った。
|