本研究の目的は大学における教員養成が開始された戦後初期における幼稚園教員養成を明らかにすることである。そこで本研究では特に教員養成学部教官研究集会幼稚園部会の議論に焦点をあてて検討した。その結果,当時の幼児教育・幼稚園教員養成改革における,国立大学の現状やその教官の影響力が強さや,幼稚園教育や幼稚園教員養成の独自性を追求しつつも,小学校教員養成を主に行っていた師範学校を母体とした新制国立大学において,小学校教員養成に合わせる形で教科主義的な幼稚園教員養成が形作られていったこと等が明らかになった。
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