研究課題/領域番号 |
20K13939
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
宮本 雄司 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (00804501)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子どもの健全育成 / 児童遊園 / 固定遊具 / 選定・配置 / 健康福祉政策 |
研究実績の概要 |
本研究では,幼児の身近な戸外あそびの場である児童遊園に着目し,ブランコ・すべり台・ジャングルジムといった固定遊具の選定プロセスや,維持管理の実態と課題を明らかにする。そして,幼児に必要な多様な動きを経験でき,幼児の健全育成に資する児童遊園とするための,固定遊具の選定・維持管理システム構築に向けた基礎的知見を得ることを目的とした。 2020年度には,都市公園・児童遊園整備の変遷について文献研究を行い,社会のできごとや法律の制定と合わせて,社会福祉政策の視点から分析することにより,子どものあそび場としての都市公園・児童遊園の設置や運営の課題を明らかにした。 2021年度は,都市公園・児童遊園の現地調査を行い,既存の公園・児童遊園における固定遊具の配置状況の調査を行った。その結果,本来,児童遊園は,児童福祉法に基づき,地域における児童を対象とした児童厚生施設として設置されているはずであるが,実際には,大人向けの健康遊具が設置されている事例があった。加えて,固定遊具設置後20年が経過している児童遊園が多く,いくつかの児童遊園において,老朽化した固定遊具の入れ替え更新作業を行っており,旧固定遊具の状況,撤去状況,新固定遊具設置後の状況について調査を行った。固定遊具の入れ替え時に,同じ種類の同じ形状の固定遊具を設置していた場合や,同じ種類の形状が異なる固定遊具を設置していた場合や,異なる種類の固定遊具を設置していた場合のように,設置者の方針により,子どものあそび場の環境が変化していた実態が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は,COVID-19感染拡大が継続していたこともあり,首都圏を中心にした現地調査を実施した。加えて,都市公園・児童遊園における,自治体によるCOVID-19感染拡大防止への取り組み事例について調査を行った。今後は,現状の固定遊具の老朽化の状況や,固定遊具の種類の偏りの実態を整理し,自治体職員へのヒアリングを行うことで,現状に対する認識や,固定遊具の選定プロセス,維持管理の実態と課題について明らかにしていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,自治体職員へのヒアリング調査を行い,児童遊園における固定遊具選定と管理に関する実態と課題を明らかにする。加えて,2020年以降のCOVID-19感染拡大の影響により,公園・児童遊園におけるCOVID-19感染拡大防止の取り組み事例とその根拠を明らかにするとともに,今後の児童遊園における固定遊具の入れ替え更新の方針や,固定遊具の選定と管理のプロセスについて総合的に検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は,現地調査のデータ収集に専念したため,分析用機器の購入や自治体への調査に伴う旅費や郵送料について,次年度の使用計画とした。
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