研究課題/領域番号 |
20K13957
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
大浦 早智 名桜大学, 健康科学部, 助教 (60811479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若年母親 / ベビーマッサージ / 居場所づくり / 子育て支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、若年母親を対象にしたベビーマッサージプログラムを企画し、母子の心身の特徴をふまえる調査を行う事である。そして効果を検証し、若年母親の居場所づくりにつながる子育て支援プログラムとしての一助につなげる事である。令和2年度は、国内の若年母親やベビーマッサージに関する文献検討、学会等に参加し情報収集を行った。文献検討においては、現状の若年母親自身の特徴や課題をふまえた適切な関わりが持て、居場所づくりにつながる支援方法を整理した。その結果、助産師は若年母親に対して価値観を押し付けないようにしながら、母親が意思表示できるような配慮が必要であり、自主性を尊重して関わることが重要である事が報告されていた。また、家族との関わりに限られている事が多く、子育て期の支援として、定期健診や予防接種等の社会資源や育児仲間をつくる動機づけを随時行う必要がある事が示唆されていた。学会は、第61回日本母性衛生学会学術集会、第35回日本助産学会学術集会に参加した。両学会とも新型コロナウィルス感染拡大の為、完全オンライン形式での開催となり、配信講演により全国各地における切れ目ない支援やハイリスク妊産婦への支援についての視点を得る事ができた。また、今後より重要視される事が予測されるウィズコロナ時代における助産師支援に関する講演もあり、有意義な情報を得る事ができた。さらに、本研究への課題着手前に実施した、へき地における子育て教室において聞き取った内容や参加アンケートを分析した。新生児ケアと子育て相談の併用プログラムとし、大学施設を用いて少人数で開催したことで、地域資源を初めて活用する母親も参加しやすく、思いを表出しやすい雰囲気である事が伺えた。本調査を行う上でのへき地におけるプログラム参加者確保や地域性の考慮の参考としていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大継続により、進捗状況は遅れている。従来予定していた研究着手の実施方法として参加者の確保や調査方法が難しい状況となった。その為、感染対策を考慮した上での調査実施に関する研究計画の再検討が必要であり、調査準備に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題調査を推敲するために、感染対策を考慮した研究方法を見直した研究計画書を再度作成し、所属大学研究倫理審査の承認を得た後に研究着手を行う。若年母親の心身特徴を明らかにする上では、感染リスクを軽減する方法として、オンラインツールも活用した、ハイブリッド形式での調査方法も検討中である。三密対策を考慮し調査時期や対象者を分散しながらの方法も模索しているが、一方で、オンラインを活用する事で、対象者との調整や交通手段をもたない際の配慮にも繋げられる可能性もある。しかし、これまでの学術調査では対面式が主流であり、従来の質を担保したデータ収集、分析を行う事が課題となる。スーパーバイズも受けながら分析にあたっていく。また、調査分析後における若年母親の支援に関わる関連職種との連携においても、オンラインツールも活用し、へき地特有の物理的考慮をはかる。今後も予測されうるウィズコロナ時代における視点もふまえ、母親の居場所づくりにつながる子育て支援を検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大による活動自粛や所在地以外への県内外への移動制限、予定していた学会や研修会の中止や変更が相次いだ。また、その為研究着手にも時間を要し、予算執行が難しい状況であった。
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