研究課題/領域番号 |
20K13961
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
西田 千夏 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (60637966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害児を育てる両親 / リフレクティブ・インタビュー |
研究実績の概要 |
本研究では、発達障害児の両親へ別々へのインタビューを実施し、親の内省が深まり子ども・配偶者の内的状態や関係を見直す語りがあった場合、その内容に影響したと考えられるインタビューの要素を明らかにしてペアレント・リフレクティブ・インタビューの指針を作成することを目的としている。 前年度までに、研究①としてのペアレント・リフレクティブ・インタビュー指針の根拠を示す国内外の先行研究検討を行い、当該年度では研究者の過去のインタビュー記録の再分析を継続して実施した。発達障害傾向のある小学校1~2年生の子どもを育てる母親4名、および、発達障害の子どもを育てる2組の両親へのインタビューデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)で再分析した。母親や父親の言葉に現れた内省を示す内容から子どもの心情を想定した行動に至る過程を分析焦点として検討した結果、親が子どもに向けた期待や信念を内省する機会を作ることで、子どもに求めていることは親自身のためでもあったという側面に気づくことができ、それをきっかけに子どもの心情を想定した関わりに繋がっていたことが導き出された。この結果をもとに研究②「両親のリフレクティブ(内省的)な反応・言動とインタビューとの関係の調査」を行うためのインタビュー指針案を作成し倫理審査での承認を受け、研究参加者の募集を行った。当該年度では実施には至っていないが、小児精神科医、親の会の会長等から協力が得られ、研究参加者は集まり次年度に実施可能な状況となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の調査方法は、インタビューである。オンラインでの実施も不可能ではないが、本研究ではインタビューを受ける参加者の体動や表情、目線、設定場所の影響なども分析するため、対面での実施を主としている。2021年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が年間を通して発令されており、参加者が安心して実施できる時期を判断することが難しく、やや遅れている状況である。 しかしながら、研究参加者の目途は立っているため、次年度早々に調査を実施できる状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
発達障害の子どもを育てる両親に1回目インタビュー調査を実施する。その後、両親のリフレクティブな反応・言動や子どもや配偶者の内的状態や親子・夫婦関係を見直す語りを抽出し、インタビューとの関係を質的に分析した後、支援に活かせる内容を導き出した後2回目のインタビューを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施がやや遅れていることに伴い、調査にまつわる費用が発生しなかったため当該助成金が生じた。翌年度分に調査・公表に関する支出を計上する。
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