研究課題/領域番号 |
20K13965
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研究機関 | 別府大学短期大学部 |
研究代表者 |
菅原 航平 別府大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (90768540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放課後児童クラブ / 育成支援の質 / 職員研修 / OJT |
研究実績の概要 |
令和4年度は、放課後児童クラブにおける発達障害児等への育成支援の質向上のために必要な職場内研修(OJT)や職員会議、研修等の効果測定に必要な育成支援の質の評価について把握するための質問紙調査を実施した。COVID-19の影響により、質問紙調査は当初予定していたものよりも規模を縮小して、放課後児童支援員等133名を対象として実施した。調査結果から、特別なニーズをもつ子どもへの育成支援においては、特に専門家と連携しての支援や子どものニーズを踏まえての支援が今後の課題であると考えられた。 また、対面での研修が中止されるなどのCOVID-19の影響は令和4年度も引き続いていたことから、試行的に子どもへの関わり方に関するオンデマンド形式の研修コンテンツを作成して、そのコンテンツの内容や使用しての研修効果などについてのオンラインでのアンケート調査やヒアリングを行った。 研究成果は、日本学童保育学会研究誌第11巻「放課後児童クラブにおけるOJTの状況と育成支援の質の関連」(pp.51-55)や「放課後児童クラブにおける障害児支援や職員研修の現状―SACERSの特別支援に関する尺度と育成支援の質の関連―」別府大学短期大学部紀要第41号(pp.135-131)などで報告を行ったほか、全国学童保育指導員学校でのオンライン研修の際など様々な研修・会議などの際に現場の支援員や行政関係者にも結果を報告し、意見交換を行った。また、検討委員として参加した、令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「放課後児童クラブの医療的ケア児を含む障害児の受け入れ体制及びインクルージョンの推進に関する調査研究」での議論の際にも本研究で得られた知見を活用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響が今年度も解消されずヒアリング調査や研修プログラムの実施が一部制限され、対面での実施を検討していた研修が引き続きオンラインでの実施となるなど計画していた調査や研修の一部が実施できなかった。このためCOVID-19の影響を踏まえ、調査規模の縮小やオンラインでの研修コンテンツ配信など代替的な手段に切り替えるなど研究計画を修正しながら研究を進めた。一定の成果は得られたが昨年度までの研究進捗の遅れを取り戻すことができず、現在の研究進捗状況と残りの研究期間を踏まえ研究計画を見直すとともに研究期間の延長申請を行うこととした。これらを踏まえ、当初の研究計画よりも「(4)遅れている。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)これまでの研究成果やコロナ禍による研修のニーズや実施形態の変化を踏まえて、引き続き放課後児童クラブ・放課後児童支援員等に対して、発達障害児等に対する育成支援及び関連する研修の現状と課題等についての質問紙調査やヒアリング調査を実施、分析して、その成果について学会発表等を行う。 (2)放課後児童クラブにおける職員研修の状況は少なくとも次年度はコロナ禍以前と同様の状態に戻ることは無いと考えられ、オンデマンド型を中心としたオンライン研修へのニーズも高まっている。このため、オンデマンド形式の研修コンテンツ作成に引き続き取り組み、対面実施を前提とした研修ではなく、オンライン又はオンラインと対面を組み合わせたクラブ内での職員研修を試行して、その内容や効果などについて評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響による感染予防措置によっての対面調査の中止や対面型研修のオンライン型研修への切り替えにより当初の計画通りの研究実施ができなかったこと、参加した学会がオンライン開催であり旅費が発生しなかったことなどにより残額が生じた。 実施予定であった調査については再度実施の調整やオンラインでの実施への修正を計画しており、今後計画の必要な修正を行いつつ十分な研究成果が得られるよう実施していき、それに合わせて予算を執行する。
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