研究課題/領域番号 |
20K13966
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研究機関 | 沖縄女子短期大学 |
研究代表者 |
喜屋武 享 沖縄女子短期大学, その他部局等, 助教 (40845343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 体力向上 / 学力向上 / 認知機能 / ヘルスプロモーション / 小学生 |
研究実績の概要 |
助成初年度は,プログラム開発に先立って,日本の教育環境におけるALPの導入可能性について検討した。 日本でALPを実践するためには,学習指導要領(国が各学年において学習すべきと定める事項)との整合性を担保しなければならない。このため,国外で実践されているALPを系統的に収集した上で,日本への適用を提案する論文を発表した(雑誌論文1)。具体的には,算数を例に各学習領域でのALPの活用例を提案した。その一部を以下に示す。 「A 数と計算」領域を教える場合,例えば,一の位をキック,十の位をジャンプ,百の位をスクワットと定めておき,四則計算の回答をこれらの身体運動で表現させる。領域「B 図形」の学習では,教室内外にある2次元(三角形や四角形等)または3次元(立方体や円柱等)の物体を探し出し,分類させたり角度を計測させたりする。「C 測定(第 4 学年から第6 学年は「変化と関係」)」領域を教える場合には,時刻を身体動作で表現したり,10~20 mの短い距離を疾走した際の測定記録から長い距離を走った場合の記録を予測したりする活動があげられる。また,心拍計を数名の子供に装着した上で,様々な運動強度の心拍数を測定させ,グラフ化したり,平均値や中央値などの代表値を算出させたりすることにも展開できる。これらは,第4学年から第6学年の領域「C 変化と関係」や「D データの活用」の学習に適合する。 ここで述べたように,海外のALPが原案通りに導入可能なものもあるが,特別な教具を必要とするプログラムや各国で親しまれている伝統的な運動遊びをベースにしたプログラムは日本の文化や学校教育環境には適さないものもある。 これを精査することにつながった初年度の研究は,日本でのALP開発において基礎資料となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の蔓延に伴う行動制限により,研究の遂行に支障が及んだ。具体的な事由は以下の通りである。令和2年度(2020年度)は,主にプログラム開発とパイロットスタディを実施する計画であった。とりわけ,プログラム開発においては,現職の小学校・中学校・高等学校教諭と共同でプログラム開発をすることを計画しており,これに係る協力者の募集を沖縄女子短期大学で実施する教員免許状更新講習にて行う予定だった。しかしながら,COVID-19の蔓延に伴い講習自体が中止となったため,協力者を募ることができなかった。代替策として研究代表者が個人的に交流のある現場教員に協力を依頼したものの,学校現場においてもCOVID-19に伴う行動制限やイレギュラーな業務による多忙さから協力を得るのに困難を要した。現在は,複数の現場教員とともにプログラム開発を進めているが,当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度もCOVID-19の影響が断続的に続くことが見込まれる。このため,当初,免許更新講習を協力者募集の機会としていた計画を改め,プログラム開発に係る協議を含めオンラインで進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度,感染症の影響で実施できなかったプログラム開発とパイロットスタディーの,計画・実行・評価を行う。
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