研究課題/領域番号 |
20K13981
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研究機関 | 共栄大学 |
研究代表者 |
井ノ口 和子 共栄大学, 教育学部, 教授 (80806703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 図画工作 / 鑑賞活動 / 多様な〈見る〉視点 / 授業改善 |
研究実績の概要 |
研究初年の昨年度はcovid-19の影響により,対面形式での調査・研究がほとんど実施できなかった。本年度は、小学校での授業観察や授業実践、調査などを実施することが困難な状況は継続しているものの、美術館の展示・プログラムや大学での対面授業が一部再開したことから、以下の2点における研究に取り組み、その成果を投稿論文として発表した。 1.美術館・アートプロジェクトにおける調査:北アルプス国際芸術祭、長野県立美術館、滋賀県立美術館、京都市京セラ美術館、群馬県立美術館などで「〈見る〉ことを誘う仕掛けや工夫」について調査を実施した。視覚としての「見る」に限定せず、「触る」、「遊ぶ」、「動かす」などの身体性を伴う〈見る〉行為や能動的な〈見る〉を誘うキャプションや展示方法の工夫などについて調査を進めた。 2.授業改善の実施と考察:図画工作科における「子どもの〈見る〉」力を育成するためには、指導者自身の〈見る〉体験の豊かさとその視点の広がりが重要である。そこで、教育学部1年生を対象とする「初等図画工作Ⅰ」の授業改善を実施した。多様な〈見る〉活動を学習活動として位置付け、発問や学生とのコミュニケーションを工夫した。その結果、学生の〈見る〉ことへの意欲の高まりや〈見る〉視点が広がり、鑑賞活動の充実につながった。さらに、この成果は図画工作科への苦手意識を軽減させることにもつながる。このような授業改善を重ねることにより、指導者としての〈見る〉視点の広がりや鑑賞活動の充実が期待できる。 3.成果発表:「図画工作科における鑑賞活動の指導法に関する考察―〈見る〉を広げる授業改善の試み―」(『共栄大学研究論集』第20号、pp.157-170、2022.2)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、小学校での授業観察や授業実践などの調査研究を実施することが困難な状況が継続している。また、参加を予定していた学会や研究会がオンラインでの実施となり、十分な情報収集やディスカッションができていない状況にある。したがって、進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに実施できなかった小学校での調査・研究や学会・研究会への参加を可能な範囲で進める。しかし、covid-19の影響は今後も収束が見通せず、学校での授業観察や授業実践などの調査研究は依然不透明な状況である。したがって、今後も以下の2点を中心に研究を進める。 ①美術館やアートプロジェクトの調査:視覚的な〈見る〉に限定せず、多様な行為や活動を含む〈見る〉活動や展示の工夫について調査し、図画工作科の「子どもの〈見る〉」を深めるための教育プログラムを検討する。 ②授業改善と考察:初等教員養成課程における図画工作科に関する授業科目の授業改善と考察から、指導者としての「子どもの〈見る〉」を育成する資質・能力を高めるための授業改善を重ね、考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き、covid-19の影響により、調査・研究のための出張が十分に実施できない状況が続いている。予定していた学会や研究会が全てオンラインでの開催となったこと、研究会を開催することが困難な状況にあることから、次年度使用額が生じている。今後、調査活動や研究会の開催が可能な状況になった場合に研究調査を実施する予定である。
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