研究課題/領域番号 |
20K14000
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
阪上 弘彬 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30791272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ESD / 社会科教育 / ドイツ連邦共和国 / カリキュラム研究 / 教科書研究 / コンピテンシー |
研究実績の概要 |
本研究は、ESD(持続可能な開発のための教育)の資質・能力(コンピテンシー)と社会系教科固有のコンピテンシーを結び付けて育成をめざすドイツの統合型社会系教科カリキュラム、教科書や教材の分析、現地調査・授業見学を通じて、①ESDのコンピテンシーと社会系教科固有のコンピテンシーの関係性、②ESDのコンピテンシーと社会系教科固有のコンピテンシーを一体的に育成するためのカリキュラム編成・学習設計の原理を解明するとともに、③日本の中等社会系教科におけるESD実践のためのカリキュラム・授業モデルを提案するものである。 2021度も、新型コロナウイルス感染症によりドイツに渡航ができない状態であったため、研究計画の部分的な変更を行った。2021年度に引き続き、ESDに関する論文・政策文書の収集を実施し、また統合型社会科の中等教育教科書『Projekt G』(ノルトライン=ヴェストファーレン州を中心に)におけるESDに関連する学習単元(例えば、気候変動)を取り上げ、その学習設計・原理に関する分析を行った。とりわけ②の研究に関連して、現在のドイツ16州の教育課程における社会系教科に関する現状およびコンピテンシーの設定状況について把握するために、16州の社会系教科の初等および前期中等教育カリキュラム(レールプラン)を収集し、現状を整理した。 研究成果に関しては、学会で適宜発表するとともに、一部の成果に関しては書籍等に掲載された。「ドイツの社会系教科学習におけるESD実践と評価」というテーマで現職教員向けの講演を行う機会があり、研究成果の学校現場への還元に務めた。なお16州におけるカリキュラム調査の結果については、2022年度以内に査読付き学会誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症によりドイツに渡航できず、当初計画をしていた現地での文献収集・聞き取り、学校における授業見学が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き①および②の課題について取り組むとともに、2022年度が最終年度であることから、①および②の成果に関する発表(学会発表および論文投稿)を積極的に行うとともに、③の課題についても取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため、計画通りに研究(とりわけ、ドイツに渡航しての現地調査)が進まなかったため。本年度は海外渡航の規制が緩和されることから、2年間できなかった渡航調査や資料等を購入するなどして予算を消化する予定である。
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