研究課題/領域番号 |
20K14005
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
杉野本 勇気 長崎大学, 教育学部, 准教授 (40637477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中等教育 |
研究実績の概要 |
本研究の課題である、英語と日本語を並列的に使用することを前提とした数学授業の様相を具体化するため、カリキュラム開発を進めた。 言語を教育的な課題である文化や生活との関連から考察を進めていき、学校教育の出口としての責務や民主主義の保障などの今日的課題を検討した。文化的側面や数学的リテラシーなどの能力主義的なカリキュラムへの対応を考えたとき、初等教育段階ではなく中等教育段階における教育的課題として取り組むことの妥当性を確認した。また、問題解決学習の前提となっている解決できる問題から、解決できない問題や、解決方法が不明確な問題へ取り組む場面への転換とそのような学習における数学教育からのアプローチの可能性を検討した。また、そうした課題にこたえるための実態調査の方法などについて検討した。2020年11月、12月の研究集会においてそれぞれ研究協力者を招聘した。一件は中等教育段階の数学教育学的課題を整理するための視点を提案していただいた。もう一件は地域文化の伝承に関わる事例についての講演を実施して頂き、言語に潜在する文化への研究アプローチの方法について示唆を得た。またそれらの研究集会の前後には現職教員や大学院生向けに理念的な枠組みを共有する集会を行い、本研究の可能性や授業実践における今日的課題を検討した。 これらの成果の一部について学会発表を行った。上記についての具体的な教材をもとに提案し質問や意見を頂き、示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画を前後させて、今日的な課題の検討から数学的な教材開発への展開を検討した。言語の問題は文化との関連による考察が必要なため、民主主義に関する研究テーマへと展開し、研究協力者から助言や講演していただくことができ、今日的な課題についての整理を行うことができた。 当初の計画通りには進まなかったが、来年度の方向性を計画できており、おおむね順調に進展している状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
主に調査研究として成果をまとめていく。年度内に2回程度、研究協力者と調査方法の共有や分析枠組みの検討を行い、カリキュラム開発にむけた実践的な課題と、目標論的な立場からの理念的検討を整理していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究が実施できなかったため、旅費を計上できなかった。来年度は実施を予定しているため、その旅費に用いる予定である。
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