研究課題/領域番号 |
20K14018
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研究機関 | 甲子園大学 |
研究代表者 |
岡邑 衛 甲子園大学, 栄養学部, 講師 (80735233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 若手教師 / 社会関係資本 / 参与観察 / フィールドワーク / 教師の成長 |
研究実績の概要 |
第一に、若手教師が急激に増加する都市部の学校で、定期的にフィールドワークを実施することを計画していた。実施都市としては大阪市や横浜市を想定していた。新型コロナウィルス感染症の影響で休校等の問題が生じたが、大阪市の学校に関しては、概ね1年間を通して、週に1回程度、定期的にフィールドワークを実施し、参与観察をするとともに、12名の教員にインタビューを実施した。さらに、大阪市教育委員会の初任者研修担当職員にインタビューを実施した。一方、関東地方では、横浜市ではなく東京都の学校でのフィールドワークを実施する許可は得たが、新型コロナの影響で、移動が困難になったため、年度を改めることとした。 第二に、資料や文献の収集を行う計画であった。これは計画通りに様々な文献を入手し、知見を整理する事ができた。 第三に、質問紙調査を設計する計画であった。この質問紙調査設計については、研究会を立ち上げ、議論を進めることができた。研究会には教師教育に詳しい大学教員4名と大学院生1名をメンバーに加え、合計6名で研究会を開催し、翌年度も継続して議論することが決まっている。また、このメンバーとともに、大阪府教育センターを訪問し、聞き取りを行うことができた。 以上の研究活動の一つの成果として、日本教師学学会第22回大会において「若手教師の成長に対する中学校教師の意識に関する一考察―インタビュー調査の分析を通して―」という題目で口頭発表を実施し、参加者より有益な助言を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は学校でのフィールドワーク調査および質問紙調査の実施を主な調査方法としている。この両方において、新型コロナウィルス感染症の影響により、やや遅れをとっていると言わざるを得ない。 まずフィールドワークについては、近隣の学校は状況に応じて、訪問回数を減らさざるをえなかった。また、関東の学校については、県をまたぐ移動、とくに学校への立ち入りは実施が難しく、実施できなかった。 つぎに、質問紙調査については、教育委員会や学校の協力を得づらい状況にある。 この点を踏まえて、今後どのように実施していくのか、場合によっては対象人数の縮小や期間の延長も視野に入れながら実施してく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、大阪市の学校でのフィールドワークを継続する。ただし、緊急事態宣言が発令されている期間は、極力その実施を避けざるを得ない。また、東京都の学校についても、昨年度許可を得た学校に関しては単発的なフィールドワークを状況を見ながら実施してく計画である。 第二に、質問紙調査計画についての研究会を月に1度程度開催し、内容をブラッシュアップするとともに、各自治体に実施の協力を求める。新型コロナウィルス感染症の状況によっては、質問紙調査の対象者数を縮小したり、実施を少し遅らせることも視野に入れながら進めていくなどの対応をとる必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響で、関東でのフィールドワークおよびインタビュー調査が実施できなかったことにより、旅費、人件費、その他の項目の使用額が予定より減じた。次年度は前年度に実施できなかった分の調査を実施する計画であり、余剰分を前年度の目的の項目に合わせて使用する計画である。
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