研究課題/領域番号 |
20K14027
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷口 紀仁 名古屋大学, 国際機構(教育), 講師 (50811824)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 異文化間能力 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
これまで日本人学生と外国人留学生との接触を阻害する要因の分析の視点は外国人留学生が中心であり,日本人学生に外国人留学生を受け入れる能力が不足していることについて考えられることは少なかった.本研究では,外国人留学生から日本人学生に視点を変え,日本人学生が国内外で異文化接触した際に獲得した能力を把握し,その能力を育成するトレーニングを開発することで,日本人学生の留学生受入能力向上を図ることを目的としている。 2021年度(2年目)は、インタビューデータを分析し、国外の学会(国際比較文化心理学会)で発表を行った。まず、1つ目の研究の日本人留学生の異文化間能力は、異文化コミュニケーション能力という観点から捉え直し、異文化接触から文化的アイデンティティの移行と価値観の変化、それに伴うコミュニケーション能力の獲得までの一連の流れをモデル化することによって、異文化間コミュニケーション能力獲得のプロセスを明確化することができた。また、2つ目の研究の国内の日本人学生が留学生と接触した場合、通常、異文化間接触と捉えるが、集団間接触の観点から分析を進めることによって、日本人学生の社会的アイデンティティが変化し、自尊心を獲得するモデルを明確化することができた。既に1つ目の研究は国外の雑誌に投稿しており、2つ目の研究は現在、執筆中である。2022年度は2つの研究の論文を完成させると同時に、質的研究から量的研究へと次の段階に研究を進め、遅れを取り戻したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度もコロナ禍にあり、追加データの取得など困難な点が多く、予定していた研究参加者の確保が満足にできなかったため、論文の執筆に支障をきたしている。引き続きコロナ禍において研究を進めることができるよう最大限努力する。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、海外の学会での発表と複数の論文投稿を予定している。また、質的研究から量的研究へと切り替えて、次の段階に研究を進め、遅れを取り戻したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年、2021年度とコロナ禍にあり、本来予定していた海外の学会参加や国内出張が制限されている現状が継続している。2022年度はコロナの状況次第であるが、当初の計画通りの国内外の学会出張を中心として研究費を活用したい。
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