3年目の2022年度は、優れた内部質保証システムを構築していると評価された大学や、内部質保証、教学マネジメント等について先進的な取組を推進する大学等を中心にした訪問調査、「学修者志向」を測定する尺度の開発を試行するためのインターネット調査、2年目(2021年度)に文献調査した研究成果の発表を行った。 訪問調査:設置形態(国立・公立・私立)、規模のバランスを踏まえながら、機関別認証評価受審大学の自己点検・評価報告書及び認証評価結果、その他の公開情報等を踏まえて、調査候補校の検討を行い、20校(国立4校:公立3校:私立:13校)に対する調査を実施した。 インターネット調査:「学修者志向」を測定する尺度の開発を試行するための調査を実施した。教育の内部質保証を推進する際には、学修者本位の教育への転換が肝要となるが、大学の教職員に「学生が何を学び、身に付けることができたのかに意識を向け、学生の成長に携わろうとする意思」が存在しないと、その実行は困難であり、仮に実行されたとしても形骸化してしまうことから、上記の意思を「学修者志向」と定義し、この志向を測定する尺度の開発を行った。 研究成果の発表:2年目(2021年度)に文献調査として実施した2000年から2021年末までの日本における内部質保証に関する政策文書や研究成果等を整理し、これらの概念がどのように捉えられてきたのかを考察したものを学協会で発表した。その結果としては、内部質保証の定義や捉え方、対象範囲は、①認証評価機関の定義や捉え方を踏まえた、もしくは依拠している、②範囲を教育に限定しているものも多くあるが、教育に限らずに研究や大学運営を含んでいることを確認することができた。 現在、訪問調査並びにインターネット調査の結果を集計・分析を行い、学協会での研究成果の発表を行う準備をしており、2023年度にその内容を公表する予定である。
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