研究課題/領域番号 |
20K14032
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
嶋田 みのり 東北学院大学, ラーニング・コモンズ, 特任助教 (40713996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ラーニング・コモンズ / 学習支援 / グループ学習 / 協同学習 / コロナ禍 / 遠隔授業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生の授業外におけるグループ学習の実態や問題点を明らかにし、ラーニング・コモンズにおけるグループ学習に対する学習支援の在り方を検討することである。 本年度は、グループ学習や学習支援に関する先行研究の情報収集及びラーニング・コモンズで活動をするグループの調査対象の選定と、観察調査及びインタビュー調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響によるキャンパス閉鎖や遠隔授業の実施等により、ラーニング・コモンズを通常通り運用することができなくなり、当初の計画を大幅に変更せざるを得なかった。そこで、本年度は、①グループ学習や学習支援に関する先行研究の情報収集、②コロナ禍におけるラーニング・コモンズの運用状況及び学習支援に関する調査、③遠隔授業における協同学習の実践と評価に取り組むことにした。 ①についてはグループ学習や学習支援に関する先行研究について情報収集を行った。引き続き情報収集及び先行研究の整理を行う必要がある。②については、関西ラーニングコモンズ担当者ネットワークに参加する大学関係者に質問への回答を依頼し、2020年前期における大学の授業実施形態や、LCの開室、学習支援の実施などについて調査を実施した。その結果、多くの大学でラーニング・コモンズの閉鎖や利用時間の短縮、グループ学習に対する制限を設けており、通常時と異なる運用の実態が明らかになることがわかった。③については、協同学習の一つの技法であるLTD話し合い学習法を同期型・非同期型の2形式で実践し、受講形式による学習効果の違いや課題について考察した。今後、授業外で行われるグループ学習についても実態調査を行い、必要な学習支援について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症による影響に伴い、ラーニング・コモンズの閉鎖やグループ学習の利用を制限する必要が出てきたため、当初計画していたラーニング・コモンズでの観察調査やインタビュー調査等の研究計画を大幅に修正せざるを得なかった。さらに、2020年8月~2021年3月まで、産休・育休を取得したため研究を中断することになり、本年度の計画を来年度以降にずらして実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
産休・育休による研究中断に伴い、2021年度までだった研究期間を2022年度までに延長する予定である。また、新型コロナウィルス感染症の拡大による影響により、遠隔授業が今後も続くことが想定されるため、ラーニング・コモンズでの学習や授業外学習にも様々な影響が予想される。そのため、今後コロナ禍やアフター・コロナを見据えた学習支援やラーニング・コモンズのあり方についても考えていく必要がある。 そこで、グループ学習やラーニング・コモンズにおける学習支援に関する先行研究の情報収集に加えて、新型コロナウイルスの影響によって行われるようになった遠隔授業における授業外学習についても情報収集及び調査を実施する予定である。また、グループ学習の観察調査については、当初ラーニング・コモンズで活動するグループを調査対象にしていたが、今後も感染症対策の影響で、通常利用が困難であることが見込まれるため、オンラインで行われるグループ学習を調査対象にし、観察及びインタビュー調査を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大により、研究会や学会がオンライン開催になり、旅費の必要性が生じなかった。また、2020年8月~2021年3月まで産休・育休を取得したため、当初予定していた調査を本年度は実施しなかったため、人件費・謝金についても来年度以降に使用する予定である。 ラーニング・コモンズにおける調査の実施においては、新型コロナウィルス感染症の影響等で現状計画するのが難しい状況であるが、来年度以降の適切な時期に実施したいと考えている。
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